福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -028/042page
研究紹介
思考活動を活発にする支援について
教育センター科学技術教育部
児童生徒が、自ら進んで考える過程を通して課題を解決していくことが、知識・理解、技能の獲得にとって大切である。
思考活動を活発にする方策を盛り込んだ授業実践を理科と技術・宗庭で行った。ここでは、その結果の一部を紹介する。
1 思考活動の活発化
1 自ら考える力
「生きる力」の知の側面として、自ら学び、自ら考え、よりよく問題を解決する能力の育成が求められている。このような能力は、授業の中で自分から進んで考えて問題を解決するという活動を数多く体験することによって養われていくものと考える。
観察、実験や実習は好きだが、結果を考察したり、まとめたりすることは嫌いという児童生徒が多い。関心、意欲という情意面は高まっても、自分から進んで考えるという認知面の高まりにまで結び付いていかないと知識・理解、技能として定着しない。
やる気はあっても実際にやらなければ身に付かない。やるということには、解決方法を考える、問題を解く、観察や実験を行う、作業をする、考えをまとめる………など、様々な形態があるが、それらの基本として必要なことは「自ら考える」という活動である。自分から進んで考えるという過程を経て課題解決に至ることが、生きた知識の獲得につながる。
2 思考活動の活発化
自分から進んで考えるということを、面倒で苦痛な活動のように思っている児童生徒が少なくない。これらの児童生徒に対しては、教師が思考を促し、思考活動を活発にする配慮や工夫をして、自分から進んで考えることができるように支援してやる必要がある。
3 思考活動を活発にする授業
児童生徒の思考活動を活発にする授業を行うために、配慮すべきこと、工夫すべきことを次のように考え、具体的方策を講じた。
(1) 問題解決的な学習を取り人れる。
(2) 事象(教材)提示の仕方を工夫する。
(3) 体験的な活動を取り入れる。
(4) 自分を表現する機会をつくる。
(5) ゆとりをもって考えることができるようにする。
(6) 解決の満足感が味わえるようにする。これらのことが効果的に行われるためには、日頃からの、児童生徒と教師との間の信頼関係が前提となる。