福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -029/042page
2 実践から
各実践において、思考活動を活発にする方策の効果と思考活動の活発化の程度についてはそれぞれ児童生徒の5段階の自己評価によって調べ、数量化した。
1 素朴概念の異なる児童同士のグループ編成による話し合い活動を取り入れた授業 (小学校 理科 5年)
児童が学習の前に自然事象(学習内容)についてどのような理解をしているかを素朴概念としてとらえた。ものの溶け方にっいての素朴概念の把握の方法として、下のような調査用紙を児童に配付し自分の考えに近いものを選択させた。それをもとに考えの異なる児童同士のグループを編成し、話し合い活動を行った。
素朴概念の異なる児童同十のグループ編成による話し合いに対する児童の評価と思考活動についての自己評価の間には、強い相関があった。すなわち、思考活動を促すのにこのようなグループ編成による話し合い活動は効果があることがわかった。
話し合いに対する児童の評価と思考活動の関係
2 モデル教材を工夫し、思考時の具体的行動を促した授業 (中学校 理科 3年)
地震の授業で、地震波の伝わり方を観察・実験できるモデル教材を提示した。また、「話し合う」「図やグラフをかく」などの具体的行動を促すことで、思考活動を活発にしようとした。生徒は、モデル教材を使って情報を獲得し、それをグラフ化したり討論したりする自己表現活動の中で考察し、課題を解決することができた。
事後調査から、話し合う・書くなど、思考時の行動が活発になった生徒は、思考活動も高まり、事後テストの到達度も高いことがわかった。