福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -030/042page
思考活動と事後テストとの関係
3 生徒のつまずきなどに対する教師の助言を継続した授業 (高等学校 理科・化学IB 2年)
酸と塩基の反応の学習において、生徒のつまずきや疑問に対応して、思考を促すような助言や、教師と生徒との信頼関係を高めるための励ましを、生徒一人一人またはグループごとに、継続的に行い授業を進めた。
教師の助言に対する生徒の感想には、「先生の説明がわかりやすかったので、疑問があってもそれを解決するための筋道が立てやすかった。」など好意的に受けとめている記述が多くみられ、教師の助言が思考を促す要因となった。
図は、教師の助言に対する生徒の評価と、思考活動についての自己評価との関係を成績群別にみたものである。どの群でも両者の間にはかなりの相関がみられ、教師の助言が思考活動を促すのに効果的に働くことがわかった。
教師の助言に対する生徒の評価と思考活動との関係
4 生徒自身の発想や計画を生かした探究活動 (高等学校 理科・生物IB 2年)
酵素の学習で、生徒は、自らの発想を生かした実験の計画案を作成し、必要な器具などを準備して予備実験を行い、さらに計画案を再検討した後に本実験を実施した。これら一連の探究の過程を踏まえた学習を行うことにより思考の活性化を図った。
学習前後に行った思考活動についての自己評価の結果、下図のようにどの項目においても評価が高く、思考活動が活発になったことがわかる。特に、「解決方法を考える」「方法を工夫する」「まとめて発表する」という活動の変容が大きく、この探究活動の中で、科学的な考え方ができたことがわかった。
思考活動の自己評価の変容