福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -002/042page

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福島県文化センター館長 新妻威男

「総合的な学習」と国際理解教育について

福島県文化センター館長 新 妻 威 男

 新しい学習指導要領が定められて、「総合的な学習」を行うことができるようになった。
 「総合的な学習」の例示として、“国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的・総合的な課題、児童生徒の興味・関心に基づく課題、地域や学校の特色に応じた課題などについて学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。”とされている。
 教師にとっても子どもたちにとっても、全く未経験な分野であるのに、小学校では授業時数は、国語や算数に次いで多いのである。
 ここで私の拙(つたな)い経験などを含めて、国際理解〔教育〕について若干触れたいと思う。
 現在では情報通信網が発達して瞬時にして世界の出来事を知ることができるようになった。楽しいことも悲惨なことも、リアルタイムに伝えられるようになったからである。時間と経済的余裕があれば、子どもでも外国へいけるようになった。
 私が初めて“外国”“異国”を意識したのは、小学校の1年生の音楽の時問に“うみ”(海)という歌を習った時である。
 ウミハヒロイナ/大キイナ/
      ツキガノボルシ/日ガシヅム/
 ウミニオフネヲ/ウカバシテ/
      イッテミタイナ/ヨソノクニ/
この“ヨソノクニ”である。
 夏、相馬の原釜の波打際で水平線の海を遠く見やりながら、本当に“よそのくに”へ行きたいと、そう思ったものである。
 そのうち、戦争が始まり、多くの将兵が、海や陸や空に散り、空襲で多くの家を焼かれたりして戦争は負けた。連合軍による占領があって新しい憲法ができて、国民こぞって努力した結果、日本は復興し、経済も高度成長を遂げ、日本人はやや平和ボケ(?)しながら今日がある。
 この第二次世界対戦後の世界の枠組みを作ったものに「国際連合(United Nations)」がある。そもそもUnited Nations は、1942年1月、26カ国の代表が集まり枢軸国に対して戦い続けることを誓った「連合国宣言」の中で初めて用いられた。日本ではこれを「国際連合」と訳されているが、私は“連合諸国”と訳すべきであったと思う。
 −閑話休題− 私は、この国際連合の成立、理念、機構、機能などについて、児童生徒に十分理解させることが必要であると思うし、国連の専門機関の一つである国際連合教育科学文化機関(ユネスコUNESCO United Nations Edu-cational Scientific and Cultural Organiza-tion)についてもっと知られて然るべきであると考えている。ユネスコは、教育と科学と文化の分野での国際協力をすすめ、相互のコミュニケーションを図って国際平和と人類共通の福祉の実現を目指しているのであるから。
 昨年12月、私は文部大臣から日本ユネスコ国


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