福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -015/042page
(2) 授業2 (スピーチ1)
2人組になり、お互いにあいさつをした後1人がスピーチを開始。スピーチ終了後、聞き手に必ず質問をさせ、Q&Aを行った。答える時は、プラスワンで答えさせた。役割を交代して、同じように活動させた。あらかじめ,【資料2】のような表現集を渡しておき、スピーチやQ&Aの際のコミュニケーションを促す表現として活用させた。ペアを交代して同じように活動させ、2組目の活動が終わった後、【資料3】を用いて自己評価させた。その際、次時のスピーチのために、教師が練習のポイントをモデルとして具体的に例示し、自分の改善点を意識させ、家庭での練習の参考にさせた。【資料2】
会話をスムーズにする表現 ・え?何と言ったんですか? *Pardon?( ) I beg your pardon? ・もっとゆっくり話して(ください)。 *(Please) speak more slowly. ・ええと。そうですね。 *We11〜/Let me see. ・そのとおり! *That's right./That's true. 【資料3】
◇ 取り組みについて振り返ってみよう。 (1) スピーチの前(1、2、3時間目) ・積極的に活動した。 ・練習ポイントは確認した。 (Good、O.K.、Poorで評価) (2) スピーチをして(2、3時間目) ・アイコンタクトがとれた。 ・話の流れに応じて、適切な表現が使えた。 ・聞き手に質問することができた。 (3) スピーチを聞いて(2、3時間目) ・アイコソタクトをとり相づちを打って聞いた。 ・話し手の質問にプラスワンで答えられた。 (3) 授業3 (スピーチ2)
ペアを換えて、2時間目と同じ要領で、スピーチと自己評価をさせた。必要に応じて、次の時間(4時間目)に練習のポイントを取り出して練習させた。(4) 全体の流れ
以上の(1)〜(3)の活動を1つのサイクルとし、これを5〜6サイクル行った。3サイクル終了後、活動について再検討し、スピーチの質を高めるために、各自の目標を持たせて取り組ませることにした。3 検証の結果と考察
(1) 積極性を養う面の変容
アンケートにより、生徒の意識調査を行った。その結果、「話すことができる」とした生徒が活動前より約1割増加し、約7割になった。また、89%の生徒が「以前よりうまく話せるようになった」としている。
自己評価では、自分をよく振り返ることができた生徒が41%、残り59%はまあまあ振り返ることができた生徒であった。また、自己評価をしてやる気につながった生徒が47%、まあまあつながった生徒が40%となっている。
次に、活動の中で対話が途切れたときなど、何とかしてコミュニケーションを図ろうとする生徒が増えた。理由として、モデルや表現集の効果を挙げている生徒が約60%いることから、それらが「話すこと」のストラテジーを身に付けるのに有効であったことが分かる。
以上の点から、Mini-Speech活動によって、「話す」活動に対してより積極的に取り組み、コミュニケーションが図れた喜びを感じ、「話すこと」に自信がついた生徒が多いことが分かる。次は、活動後の生徒の感想である。【資料4】
・ 自分の分かる範囲で言いたいことを伝えることができた。質問がたくさん出てきて楽しくスピーチができた。 しかし、以下のような改善点も指摘された。
【資料5】
・スビーチの点数をつけるのがやりにくかった。 ・何度もやるとトビックがなくなる。 ・準備の時間、スビーチの時間が少なかった。 (2) 能カを高める面の変容
1 「話すこと」を4つの観点に分け、そ