福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -016/042page
れらに関わる知識の測定という意味でぺ一パーテストを行った。それぞれの項目についての配点に対する平均得点率は以下のとおりである。
【資料6】( )の数字は配点
項 目 事前 事後 増減 1 正しい英語(音声)(3) 73.3 86.7 +13.4 2 挨拶、質問、指示、依頼に適切に応じる。(3) 73.3 80.O + 6.7 3 聞いたり読んだりしたことについて問答する。(6) 43.3 46.7 + 3.4 4 大事なことを落とさないように書く。(12) 42.5 73.3 +30.8 いずれの項目の得点率も、事後テストにおいて上昇している。その要因は、実際に話す活動をする際に注意点が明確になり、生徒が意識して取り組んだためと思われる。また、項目4を細かく見てみると次のようになる。
【資料7】( )の数字は配点
項 目 事前 事後 増減 4-1 メモを書く。(3) 46.7 80.O +33.3 4-2 英文を書く。(9) 42.2 71.1 +28.9 ・内容(3) 43.3 63.3 +20.0 ・表現方法(3) 36.7 60.1 +23.3 ・積極性(3) 46.7 86.7 +40.0 4-2では、内容(言いたいことが明確か)、表現方法(正しい英語か)、積極牲(できるだけ多く書こうとしているか)について採点した。全体として、得点率が上昇したことから、学習事項が定着し、意欲が高まっていることが伺える。
2 生徒を上位、中位、下位のグループに分け、各グループ3、4名についてALTとのインタビューテストを行い、「話すこと」の4つの観点から採点した。【資料8】【資料8】( )の数字は配点
項 目 事前 事後 増減 1 正しい英語で。(6) 68.3 75.O + 6.7 2 挨拶、質問、指示、依頼に適切に応じる。(24) 56.7 70.4 +13.7 3 聞いたり読んだりしたことについて問答する。(18) 60.6 67.8 + 7.2 4 話したいことを整理し、大事なことを落とさないように話す。(18) 57.2 72.2 +15.O 項目2〜4については、得点率の上昇が見られた。特に項目4から、話す内容が明確になってきたことと、話の進め方が身に付いてきたことが伺える。マッピングによって話す内容を整理する場を設けた成果であると思われる。項目1の結果は、普段の「話すこと」の活動の中で、自分の英語が正しいかどうかを自分自身で判断するのは難しいことを示している。
4 研究のまとめ
(1) 研究の成果
Mini-Speech活動は、生徒に成就感を持たせ、積極的に話そうとする態度を身に付けさせることができるという点で効果が大きい。また、自分の言いたいことをまとめ、話の基本的な流れに従ってスピーチができるようになることが分かった。中でも、話すことのストラテジーを身に付けるのには特に有効な方法である。
(2) 今後の課題
1 Mini-Speech活動の改善について
学習事項の定着において、英語の正確さを身に付けるという点で、成果が見られなかった。スピーチの内容(スピーチの質と英語の正確さ)を高める工夫が必要である。
2 研究の妥当性について
「話す力」の高まりをとらえる際、より信頼性のある方法を開発し、一般性を高めていくことが必要である。研究協力校 二本松市立二本松第一中学校
なお、詳細は、「研究紀要Vol.28」(福島県教育センター 平成11年5月)をご覧ください。