福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -021/042page

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研究紹介

植物を育てる喜びを味わわせる指導

〜「活動意欲が持続する活動計画・支援」「魅カ的な活動」の工夫を通して〜


小高町立小高小学校教諭  寺 岡 精 子 

I 主題設定の理由

 この4月より担任した1年1組の37名の子どもたちは、4箇所の幼稚園と4箇所の保育所から集まり、体験はまちまちである。入学して2ヵ月。「生活科とは何かな?」と、まだ、はっきり分からない子どもたちではあるが、アンケート調査を実施してみた。
 その結果から、ほとんどの子どもが、生活科が好きで外遊びが好きである。しかし、「植物の栽培」活動には興味・関心が低いという実感が浮き彫りになった。原因として次のようなことが考えられた。
《児童側》
 ・生活経験の中で栽培活動をしていない。
 ・動物に比べて、動きがない。
 ・長時間にわたるので飽きてしまう。
 ・成長の様子がすぐに見えにくい。
 このような状況を改善するためには、一人一人の子どもがどんな植物を育てたいのか・どんな活動をしたいと思い願っているのかを把握し、子どもがやってみたくてたまらないような活動、子どもが心を奪われるように夢中になって取り組める魅力的な活動を工夫することが大切である。さらに、活動意欲が継続できるような連続性のある活動計画や支援を工夫して、「ぼくもやりたい。」「わたしもやってみたい。」という意欲を持たせ継続して栽培活動に繰り組ませたい。このような考えから、本主題を設定した。

II 研究仮説

1 仮説

 「いきものとなかよし」の単元において、児童一人一人の 思いや願いを把握 し、 「活動意欲が持続する活動計画・支援」 「魅力的な活動」 の工夫をしていけぱ、栽培活動に継続的に取り組み植物を育てる喜びを味わうことができるであろう。

2 仮説のための理論

 (1)  「思いや願いを把握する」 とは
 生活科の授業では、一律、画一な活動に陥ることなく、一人一人の子どもの思いや願いが実現できるようにすることが重要である。
 子ども自身に何をさせるかではなく、子ども自身が何をしたいと思い願っているかを調査したり聞き取ったりして把握していくことである。
 (2)  「活動意欲が持続する活動計画」 とは
 生活科の学習において、各単元は孤立したものではなく、ある単元から発展していったり、互いにかかわり合ったりして進められていくものと考える。そこで、「いきものとなかよし」の単元が他の単元とどのようにかかわり合って連続的に発展していくかを考える。
 (3)  「活動意欲が持続する支援」 とは
 支援とは、子どもの思いや願いをしっかり受


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