福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -025/042page
研究紹介 実感と納得をともなった理解をし、分かる楽しさを味わう理科の授業の工夫
〜課題設定学習とポスターセッションの効果的な活用を通して〜
福島市立福島第三中学校教諭 島 貫 条 司
I 「実感」と「納得」を求めて
私は、理科の授業の中で、次のような生徒の育成をめざしています。
めざす生徒の姿 A 自然に対して、自分なりに疑問や考えを持ち、主体的に追求しようとする生徒 B イメージづくり、関連づけ、意味づけなどを行いながら、自分なりの自然慨念を形成していく生徒 C 自分の考えを発表すること、他の考えを聞き認めることができる生徒 このような生徒なら、理科の学習がよく分かり楽しいと感じると思います。では、どのような授業をすれぱ、このような生徒に育つのでしょう。下の表のように考えてみました。
特に、自然を理解するということは、従来のように「法則や規則性を記憶し想起すること」や「想起した公式にあてはめて問題を解くこと」ではなく、「自分なりに実感でき納得できる“自然観”を持つこと」である、ということを中心に据えて指導をしなけれぱならないと考えて、研究に取り組みました。
III 研究仮説
研究仮説 各単元の課題設定学習の時間において、主体的な探求活動(※1)の場を位置付け、結果をポスターセッション形式(※2)で話し合う学習を行えぱ、生徒は既習事項をもとに、積極的に課題を追求していきながら、実感と納得をともなった理解をし、分かる楽しさを味わうことができるであろう。