福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -029/042page

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研究紹介

イメージマップ活用の工夫

〜生活科における試み〜



教育センター学習指導部  武 藤  誠 

I 研究の趣旨

 イメージマップとは、「中心にかかれた事柄について連想するものを内側の円に書きとめ、さらにその言葉から連想するものを外側の円に書いていき、連想の流れが分かるように線で結んだもの」である。低学年の子どもでも容易に書くことができ、書かれた内容から様々な情報を得ることができる。
 ところで、生活科においては、授業の画一化やマンネリ化、知的な気付きの深まりの弱さが問題となっている。これらの問題を解決するためには、子どもの思いや願いを大切にし、それを生かしながら授業を展開すること、そして、教師が子どもの気付き・思考の広がりや深まりを的確に把握することが大切である。
 そこで、子どもの特性を把握したり、子どもの思いや願いを生かしたり、子どもの表現活動に生かしたりするためにイメージマップの活用の可能性を探り、生活科の課題解決及び生活科の授業改善に役立てたいと考えた。

II 研究内容・方法

 本研究は2年計画とし、1年次は生活科におけるイメージマップ活用の可能性を追求する。
 ○  子どもの実態把握に 研究の視点1
 ○  活動計画の立案に 研究の視点2
 ○  表現活動に 研究の視点3
 ○  評価に 研究の視点4

III 研究の実際

1 研究の視点1について
  (1) 意 図
 生活科の授業では、子ども一人一人の能力・適性、興味・関心、性格などとともに、ものの見方や考え方、感じ方などの特性を的確にとらえる必要がある。そこで、子ども一人一人の特性を把握する一助として、イメージマップが活用できるのではないかと考えた。
 (2) 調査研究の実際
 まず、秋をテーマとして子どもたちが書いたイメージマップから、子ども一人一人の特性を把握することを試みた。
 一人一人のイメージマップをみると、秋について自然や社会にと幅広く知識や生活体験をもっていると思われる子ども(資料1)、木の葉や昆虫に興味をもっていると思われる子ども(資料2)、さらには、ドングリごまで遊んだ経験がある子ども(資料3)など、一人一人の子どもの特性を把握できることが分かる。
 また、全員のイメージマップに書かれた言葉を分類し、学級全体での出現頻度を累計してみた(グラフ1)。この学級の傾向として、果物や植物、昆虫などの言葉の出現頻度が高く、自


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