福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -033/042page

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資料7

感性を読みとることができる。
 また、全員のイメージマップの言葉を分類し、事前の分類と比較してみた(グラフ2)。事前のイメージマップに比べ植物に関する言葉や運動・遊びに関する言葉、性質や状態を表す言葉が特に増えている。さらに事前のイメージマップには現れなかった行事や場所、衣服に関する新しい言葉が現れてきている。
 このように、事前と事後のイメージマップを比較することで、子どもがどのようなことに興味をもったのか、またどのような気付きをしたのかなどを文字という形で伺い知ることができ、評価に役立てることができると考える。

IV 研究のまとめ(1年次)

1 成果と課題
 1年次は、イメージマップの生活科の授業への活用の可能性を探るということで研究を進めてきた。これまでの研究をまとめると以下のようになる。
 ○ 1年生が書くイメージマップは、グループ化とか情報間の関連を意識したものではなく、中心語に対して思いついたことを並べたものである。したがって、あまり情報を広げていくと中心語とはかなりかけ離れた内容となることがある。
 ○ 子どもの内面を重視する生活科においてイメージマップは、子どもや学級の特性を把握したり、子どもの変容をとらえたりする上で有効な資料となる。
 ○ 板書・模造紙イメージマップは、情報を多く収集したり、個々の子どもの考えを広めたりする上で有効で、それをもとに学習計画を立案することも可能である。しかし、その際には子どもたちの予想される反応を十分に考慮した中心語の吟味が大切である。
 ○ 生活科の表現活動にイメージマップを活用することは、情報を幅広く収集したり、活動の際に振り返ったりする上で役立ち、効果的である。

2 次年度へ向けて
 今後は、生活科が抱えている課題の解決に向け、イメージマップの活用を工夫して、授業を展開し、その有効性を探っていきたい。
 最後に今回の研究に当たって、郡山市立富田小学校長根本佳子先生、同校教諭佐藤百合子先生に多大なるご協力をいただいた。心から感謝申し上げたい。

〈参考・引用文献〉
 「小学校指導書 生活編」   文部省
 「小学校生活指導資料 新しい学力観に立つ生活科の学習指導の創造」   文部省
 「イメージマップ・学習マップ活用ハンドプック」   新潟県教育センター


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