福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -036/042page
4 結果と考察
(1) 実習装置の活用と思考活動との関係
実習装置の活用に対する生徒の評価は、次の項目について、生徒の自己評価により調べた。
[実習装置の活用に対する生徒の評価]
次の項目について、もっともあてはまる段階を選んで下さい。 4 よくあてはまる 3 あてはまる 2 あまりあてはまらない 1 全くあてはまらない 1 次の装置を使った実習は、「関心や意欲が高まった」 (1) 導通試験練習装置 (2) 電圧測定確認装置 (3) 故障発見練習装置 (4) アイロン故障発見装置 2 次の装置を使った実習は、「深く考えることが多かった」 (l) 導通試験練習装置 (2) 電圧測定確認装置 (3) 故障発見練習装置 (4) アイロン故障発見装置 3 次の装置を使った実習は、「回路許の使い方や理解に役立った」 (1) 導通試験練習装置 (2) 電圧測定確認装置 (3) 故障発見練習装置 (4) アイロン故障発見装置 4 これらの装置を使った実習の感想を書いて下さい。 図5 は、各装置を活用した実習により、どの程度深く考えたかを、生徒の評価で調査した結果である。
この結果から、80%以上の生徒が、それぞれの実習装置の活用に対して、深く考えたと評価している。また、実習の段階が進むごとに生徒の評価が高まっている。
図6 は、「思考活動の程度」の各項目ごとに5段階の自已評価で調べ、平均値で事前・事後の変容を示したものである。事後では、事前に比べ思考活動が活発に行われたことが分かった。特に「結果の考察」「まとめ」という項目の変容が大きい。これは、回路計で測定した結果をもとに、回路のつながりや故障の原因を分析し、総合的に考え判断する活動によるものと考えられる。
これらのことから、事象理解の段階を踏まえて、実習の難易度を徐々に高める実習装置を活用することは、思考活動を活発にすることが分かった。(2) 実習装置の活用と知識・理解、技能との関係
図7 は、各装置を活用した実習が、どの程度知識・理解、技能の獲得に役立ったかを生徒の評価で調査した結果である。