福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.129(H12/2000.2) -014/042page

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河村; え?私の授業は静かですけど。
橋本; 先生が厳し過ぎるから、私の授業で暴れるんじゃないんですか!
河村; ……帰りの学活でよく指導します。

とは言いながらも、河村先生は胸の中で「確かに俺は厳しくしている。しかし、生徒が言うことをきかないのは、橋本先生の指導力が足りないからだろう。」と反発を感じていました。

河村先生は、イライラした気分で帰りの学活に向かいました。教室の戸を乱暴に開け閉めし、椅子にどさっと腰をおろし、腕組みをして生徒たちを睨みっけました。

河村; お前たち、俺が何で怒っているか、分かるか!?……。おい、孝男!
孝男; ……。
河村; 今日の橋本先生の授業、どうだったんだ!?……。先生によって態度を変えるなんて、 卑怯者のすることじゃないのか!……それとも、俺の顔に泥を塗りたいのか!

河村先生は、怒鳴れば怒鳴るほど冷静さを失い、学級の中にしらけた雰囲気が漂い始めていることに気づくことができなくなっていました。

3.落ち込んでいく気持ち

河村先生は、自分だけが空回りしているような、“何となくうまくいかない気持ち”を感じていました。英語の授業で答えられるはずの生徒を指名しても「わかりません。」としか言わなかったり、冗談を言ってもまったく反応がなかったりと、学級の雰囲気は鉛色の雲がかかったようになっていました。給食の時間には“セルフサービス”という勝手気ままな行動が横行し、廊下ではすれ違いざまにわざとそっぼを向いたりする生徒も出てきました。河村先生の頭の中では「こんなはずではなかったのに……。」という思いがぐるぐる回っていました。

河村先生は、自分の学級で授業をする気力を失っていましたが、黙って花の世話をしている優美の姿を思い浮かべ、「うちには優しい子だっている。」と自分に言い聞かせました。そして、「学校になんか行きたくない。」という気持ちでいっぱいの朝は、一生懸命に頑張っているバレーボール部員の姿を思い出し、「もうすぐ地区大会だ。自分はあの子たちのためにも学校を休むわけにはいかない。」と、自分で自分を励ましながら家を出るのでした。

4.教頭先生たちの気付き

生徒指導主事の中川先生は、いっも教頭先生と一緒に校舎の周りのゴミ拾いをしながら、お互いに感じていることを話し合っていました。

中川; 最近、2年4組が、何となく退廃的な気がするのですが……。
教頭; 実は私も、河村先生が元気なさそうで心配してたんだ。
中川; ……荒川先生にも入ってもらって、話を聴いてもらえませんか。
教頭; そうだな……。
勝手に席を立つし、いくら注意してもきかない

放課後、部活動を終えて職員室に戻ってきた河村先生に、荒川先生と教頭先生が声をかけて


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