福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.129(H12/2000.2) -015/042page
くれました。
荒川; よく頑張るね。調子はどう? 河村; はい、まあまあです。 教頭; あと1週間だから、そろそろ調整に入ったほうがいいかもな。 河村; はい、そのつもりです。 荒川; そうだね、ベストコンディションで臨めたらいいね。ところで、学級の方はどんな具合なの? 河村; ……はい、……。 荒川; ……うん、よかったら、どんな様子なのか聴かせてくれないか。 河村先生は、「前任校では教科指導や部活動を思う存分やっていたし、生徒会活動や生徒指導面でも中心的な役割を果たしていた。」、「この学校をもっとよくしたいという強い思いをもって赴任し、初めのうちはうまくいっていたが、次第に生徒たちとの間に変なズレができてきた。」、そして、「自分のクラスが乱れてきているのを、誰にも相談できないでいた。」ことなどを、ぽつりぼつりと話し始めました。教頭先生と荒川先生は、黙ってうなずきながら、河村先生の辛い気持ちを聴いていました。
翌朝、教頭先生は荒川先生と一緒に、河村先生の話の内容を校長先生に報告し、荒川先生は「対応策について検討するために、臨時に学年協議会をもたせてほしい。」と相談しました。校長先生は少し考えてから、生徒指導主事と養護教諭にも入ってもらうように指示しました。
5.河村先生の気付き
荒川先生はすぐに学年の先生方に声をかけ、臨時の協議会をもちました。そして、「4組の生徒が乱れてきていることをうすうす感じてはいたが、それほど深刻に受け止めてはいなかった。今の段階で何とかして立て直さなければならない。」と考えていることを話しました。その後で、各学級担任に自分の学級のありのままの様子について、また、参加者全員にそれぞれのクラスの授業の様子について報告を求めました。その結果、どの学級の生徒も授業担当の先生によって態度がかなり異なっていて、中には授業を抜け出したり、アメやガムを口にするような者もいることなどが明らかになりました。荒川先生は4組の立て直しを最優先と考えました。そして、「放課後に再びこの続きの会をもちたい。“具体的にどんなことをすればよいか"について考えておいてほしい。」と話して、協議会を一旦閉じました。
放課後には次のような考えが出されました。