福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.129(H12/2000.2) -018/042page
(2) 提示の方法を工夫するとは
VTR・OHCなど視聴覚機器の活用、実物大の図、拡大した図や絵等や内容がよりとらえやすくなるような提示をすること。また、比較できる資料の提示(違い、変化、強調等)、実際に触れられる資料、順序性を考慮した提示の方法、一部をかくした資料提示、動きのある資料等資料の内容に対する問題意識が高まるような提示をすることととらえた。
(3) 子ども自ら疑問を発見するとは
資料に興味をもって見たり聞いたり、さわったりして五感をフルに活用してふれあい、自分が感じたことを心おきなく、つぶやいたり、発表したりできる。感じたことを、気づいたことやわかったこと、不思議に思ったり疑問に思ったりしたこと、考えたり思ったりしたことに分けることができる。「不思議に思ったり疑問に思ったりしたこと」を発表できる。不思議に思ったり疑問に思ったりしたいくつかのことの中から、何が課題なのかを発見することができる。ととらえることができ、一人一人が課題をもち、それを明らかにすることで共通の課題を設定することができると考えた。その際、子どもの自由な発言の場を設けるとともに、各自自分なりの考えを持てるように自由に書き込めるワークシート的な学習材も活用したいと考えた。
なお、追究の型としていくつか考えられるが、本検証においては共通の課題をもとに下位のねらいとなる課題を全員が追究する型で実践したいと考える。
III 研究の実際と考察
1 検証授業計画
(1) 単元名「日本の歴史」
(2) 検証の観点
[1] 提示する資料の内容や提示の方法が有効であったか、課題文によって確かめる。
[2] 課題に対する意識が明確であったか、個々の課題について追究したノートの内容やまとめの新聞等の内容によってとらえる。
[3] 事前・事後による課題作りに対する意識の高まるがあるかどうか。2 検証授業の実際と考察
【検証授業1】
(1) 題材名「明治の新しい世の中」
(1・2/11時)(2) 本時のねらい
福島県の歴史から会津城落城の事実とその年号を知り、自虎隊が戦った戦争が戊辰戦争であることに気づく。その戊辰戦争やその後の社会の変化について調べながら、さらに疑問に思ったこと、調べたいことを課題として持つことができる。
(3) 本時の意図
本時においては子どもたちが身近に感じる福島県の歴史から入り、日本全体へと目を向けさせることができればよいと考えた。鶴ヶ城落城の資料提示から白虎隊へ、自虎隊の悲劇から戊辰戦争へと視点を移し、日本が西軍(倒幕派)と東軍(公武合体派)に分かれ戦ったことなどから疑問を持てば、新政府が誕生し日本が大きく変化することになったことなど明確に意識された課題が作られるであろうと考えた。(資料1)
資料1