福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.129(H12/2000.2) -021/042page
教育用ソフトウェアの開発
〜小学校社会科における福島県の学習を支援するデータ変更・追加型マルチメディア教材の開発〜
教育センター情報教育部 星 善樹
I 研究の意図
1 時代の要請から
児童生徒の「生きる力」を育成するために、授業の質的転換が求められ、学習形態や指導体制の工夫等、様々な提案がなされている。そうした中の一つとして、教材についても、児童生徒が思いを寄せて積極的に関わっていくことができる教材、自ら考え主体的に判断したり表現したりできる豊かな教材、その実態に応じて選択できる教材等の工夫が求められている。また、情報化社会に主体的に対応できる児童生徒の育成のために、発達段階に応じた情報リテラシーを身につけさせることか求められている。
2 県内の小学校のパソコン設置状況から
県内小学校のパソコンの導入率は、98.5%、そのうち、Windows95/98環境のパソコンを導入している学校は、70.9%(昨年58.5%)で、この割合は年々増加しており、2001年には、県内すべての学校がインターネットに接続されるという状況から、まもなく100%になるものと予想される。このような最新のコンピュータの導入が進むにつれて、画像、映像、音声、文字などといった様々な情報を扱ったマルチメディア型のソフトウェアは、児童の多様な学習活動を支援する教材として、ますますその需要が高まってくるものと考える。
こうした観点に立って、児童にとって魅力のある画像、映像などを取り入れたマルチメディア型のソフトウェア、児童が実際に操作し、調べ学習や表現活動に活用できるソフトウェアを開発したいと考えた。開発単元は、以下の理由から小学校社会科第4学年「わたしたちの県」に設定した。
○ 教科書の内容が他県の事例であり、また適当な資料も十分でないことから教材の開発 が求められている単元である。 ○ 県全体や市町村を調べたりまとめたりする際、マルチメディア型のソフトウェ アを利用することが、学習効果を高めると予想される単元である。 II ソフトウェア開発にあたって
1 基本方針
以下のような考えに立って、ソフトウェアを開発することとした。
(1)画像、映像、文字等のデータは、社会事象の変化に対応でき、授業の中で弾力的に扱えるようにするため、あらかじめ決められたものを提示するだけでなく、自由に変更・追加ができるようにする。
(2)操作対象が小学4年生である事を十分考慮するとともに、パソコン初心者の教師でも抵抗なく使用できるよう操作をできるだけ簡単にする。