福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -005/042page

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特集 新しい教育課題:特色ある学校づくりにいかに取り組むか

地域の社会、自然、人材を生かした
     特色ある学校教育の推進

〜横断的な学習活動「酒蓋池 IN 地球」の実践を通して〜

郡山市立薫小学校

I はじめに

今回の学習指導要領の改訂のポイントを二つに絞ると、(1)特色ある学校づくり、(2)総合的な学習の時間の創設であると言えよう。前者は、これからの学校教育の在り方を示したものであり、それぞれの学校がその学校にふさわしい教育活動を創意工夫し、学校としての特色を打ち出すことである。後者は「生きる力」をはぐくむために設定された時間であり、地域6特色を学校に生かすために設定されたと言ってもよい。

本校の横断的な取り組みは、本校の特色を生かすための学習活動であり、「総合的な学習の時間」に向けての段階的な取り組みである。

II 横断的な教育課程の編成について

(1) 横断的な学習をどうとらえるか

総合的な学習の実施に向けて、現在、総合学習・総合活動、選択学習、横断的学習、合科的指導などよく似た用語に出合う。そこで、本校では、新しい領域であるだけに用語について共通理解を図る必要があると考え、横断的な学習と総合的な学習との違いを次のように押さえることにした。

〈横断的な学習〉

従来の教科・領域などは残しながらも、それら相互の内容を積極的に関連付けながら指導すること。教科、道徳、特別活動を縦軸とし、それらに環境・福祉など今日的課題を横軸として、関連付けて編成していく学習。

〈総合的な学習〉

子供の輿味・関心の尊重や、生活的・社会的課題への取り組みという発想を核にして、教科・領域などの枠にこだわらず、もしくは意識的に枠を越えて学習内容を設定、編成していく学習。

※用語の定義は、「総合的学習のカリキュラム創造」(ミネルバ書房)天野正輝氏の論文による。

(2)どのような考えで横断的な学習を進めていくことにしたのか

本校は保護者の転勤に伴い、児童の転出入が非常に多い学校であり、自分たちの住んでいる地域に対しての愛着心や地域とのかかわりが少ないのが現状である。そこで、自分たちが住んでいる地域についての理解を深め、薫小学校で学んだ証として、学校に隣接する酒蓋池が子供たちにとっての心の故郷になれぱと考えた。

そのために、クロスカリキュラムとして横軸に酒蓋池の教材的価値を位置付け、酒蓋池


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