福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -010/042page
想したり、教材研究(フィールドワーク)をしたり、学級を解体してT・Tによる学習を行ったりすることによって共働しながら学年経営をしようとする意識や、子供を多面的にとらえようとする意識が高まってきた。
○ 横断的な学習を行うことによって、総合的な学習に対する意識の高まりが見られるようになってきた。
〈保護者の面から〉
○ 学年便りをタイムリーに発行することにより、学校の取り組みに対しての関心や理解が深まってきている。
○ 学習参加型の授業を行うことにより、子供の実態をとらえたり、共に学んだりして学校の取り組みに意欲的に協力する姿が多く見られるようになった。
(2) 課題と対策
○ 教師は、大単元の大まかな全体像をつかんでおり、それぞれの教科などの関連を整理して学習に臨んでいるが、子供たちにとっては、全体の整理がつかず見通しを持てないで取り組むという問題が出てくる。
そこで今年度は、子供たちが見通しを持っことができるように学年の初めにガイダンスを行った。毎年更新されていく大単元構想は、子供や地域・保護者の実態などにより変化していくものであり、今後も年度の初めには、ガイダンスの場を設定していく。
また、保護者にもゲストティーチャーとしての協力をいただいたり、学習に参加していただいたりできるように見通しを持つ場を学年懇談の機会に設けていく。
○ 教材研究や次の週のプログラム作成のための時間が不十分という前年度の課題を踏まえ、今年度は、日課表にその時間を確保した(毎週水曜日の午後)。このことにより、フィールドワークや学年打ち合わせを計画的に行うことができた。
しかし、第6学年の卒業研究のように課題別追究になると、調査のための施設や人材などの日程調整が繁雑になってくる。今後は、さらに学年間の調整を密にして指導体制を強化していきたい。
○ 前年度に引き続いて、ゲストティーチャーとして協力して下さった地域や保護者の方々、さらに子供と共に学ぷ学習参加型の授業に協力して下さった保護者を含めると延べ300名を超す方々のご協力を得た。
このような協力体制は、今後も継続していきたい。そこで、人材バンクに登録するとともに、人材活用後は子供たちの手紙を送ったり、学習のまとめの発表会に招待したりして誠意ある人間関係の構築に努めていく。
VI おわりに
子供たちにとって学ぷ価値のあるもの、それは、生活に関するものすべてのもの。自分を、自分自身の生活を振り返ることができる学びをどのようにして結び付け、組織していくかが私たち教師の使命であろう。
生活と学習の距離を縮める生活科と総合的な学習の時間、私たちはこの二つを核に横断的な学習を組織することにより、子供とともに楽しく学びたいと願って実践している。
本校の今年度の合い言葉は「フロンティア」(開拓)。昨年度の実践を基盤に日々開拓し、進化していく教育課程を目指したい。