福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -013/042page
VI 研究の実際
1 地域連携部の実践
地域素材・人材リストの情報収集と作成に取り組んだ。(以下はその一部)
自然に親しめる場所や施設
No 素材 場所 連絡先 備考 1 木戸川 楢葉町木戸川流域
鮭の溯上や飼育。かじか、鮎釣り。滝、遊歩道 2 井出川 楢葉町井出川流域
鮭の溯上や飼育。かじか、鮎釣り。 3 岩沢海水浴場 楢葉町岩沢海岸
遠浅。冬場はサーフィン大会 文化に親しめる場所や施設
No 素材 場所 連絡先 備考 1 北田天満宮 楢葉町北田
2 木戸八幡神社 楢葉町 25−3851
3 楢葉町歴史民族資料館 北田字鐘突堂 25−2492 重要文化財「天神原遺跡」がわかる。 4 楢葉町コミュニティーセンター 北田字鐘突堂 25−4701 図書室、演劇・ミュージカル等企画 レク・スポーツに親しめる場所や施設
No 素材 場所 連絡先 備考 1 J・ヴィレッジ 山田岡美シ森 26−0111 サッカー施設、スポーツジム、宿泊施設、遊歩道、3Dシアターなど 2 楢葉中学校武道館 北田字鐘突堂 25−5270 柔道、剣道 3 楢葉町総合グラウンド 北田字上ノ原 25−2236 野球、陸上、テニス、相撲、ナイター有り、他 学校外活動
No 素材 場所 連絡先 備考 1 サマーショートボランティア活動 楢葉町社会福祉協議会 25−4157 楢葉町デイサービスセンター体験、福祉マップ作り、手話・点字講座 2 健康福祉祭りボランティア活動 楢葉町社会福祉協議会 25−4157 共同募金の街頭活動など 3 秋空散策歩こう会INならは2000 楢葉町商工観光課 25−2111 楢葉町の史跡巡り、木戸川鮭漁の見学など 活動を支援できる地域人材
No 活動分野 氏名 活動方法 活動教材 備考 1 英語、国際理解 TaraVanHo 英会話指導 英語
2 ケナフ養育 東電第二原発 技術指導 理科
3 町政全般 遠藤 一教 講師 社会 役場企画課長 4 料理 村上 豊子 審査員、調理指導 技術、家庭科 食生活改善委員 2 授業研究部の実践
(1)地域素材、人材を生かした授業の研究
[1] 地域素材を活用した実践例
選択理科では「木戸川」を題材として取り上げている。木戸川に生息する生物の観察や水質調査、川の働き等を各グループごとに分かれ意欲的に課題を追究している。各グループの研究はコンピュータを使用してグラフを作成したり、考察をレポートにまとめたりしている。
[2] 地域人材を活用した実践例
選択社会科では、「郷土楢葉町を知る」をテーマに、楢葉町が住みよい地域社会になるためにはどうすればよいのかをあらゆる観点から追っている。楢葉町役場職員や歴史資料館の館長を講師として招き、講話を聞いている。また自分たちが学習した内容を新聞記者のアドバイスのもとにオリジナル新聞にまとめている。
[3] 地域素材・人材を活用した実践例
選択技術・家庭科では楢葉町の特産物の一つである「柚」を題材とした授業を行った。授業では「柚ジャム」を使ってお菓子作りに挑戦した。さらにこの授業では、町の食生活改善委員会の方を講師として招いた。講師の方々も生徒の真剣な様子に関心を深くし、お菓子作りに取り組む生徒たちに熱心にアドバイスしていただいた。
(2) 自己課題設定のための指導・支援の研究
課題設定のために、主に以下の2つの方法をとった。1つ目は、地域の人材活用を学習計画の初期の段階にし、その講話の内容から各自の課題を設定する。
2つ目は、メインテーマから、自分が調べたいことを様々に発展させた「イメージマップ」により、具体的に課題を設定する。
どの教科にも共通して言えるのは、生徒の主体性をできる限り重んじたことである。自分の責任で何もかもやらなければならない時、生徒はこれまでと違った一面を見せた。どちらかと言えば無気力であった生徒が積極的に教師や講師に質問を投げかけたり、コンピュータを駆使してグラフを作成したり、レポートを意欲的にまとめたりするなど、歯を食いしばりながらも果敢に課題に取り組んでいた。生徒の「生きる力」はこうした授業を通してはぐくまれるものであると改めて実感させられた。
(3) 課題解決学習や体験的な活動を取り入れた学習の研究
課題解決学習や体験的な学習は、生徒に自ら学ぶ意欲や主体的に学ぶ態度を身に付けさせるとともに、学ぶことの楽しさや成就感を体得させる上で有効である。