福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -017/042page
シリーズ
学力向上のための指導の在り方
〜学力向上のための授業改善に関する調査・実践研究(中学校2年英語)から〜
教育センター学習指導部
はじめに
教育センターでは、「学力向上」を目指した授業改善に資するため、平成6年度から調査・実践研究を行ってきた。
ここでは、一昨年・昨年と行ってきた実践研究から、「中学校2年英語」について述べる。
1 研究の視点
英語科における「話すこと」のより有効な指導の在り方を考察するため、平成11年度は、2年生に対して、以下の視点から指導計画や練習活動の在り方を工夫し、授業を実践した。
(1) 指導計画の工夫
「話すこと」の重点指導期間を設け、その期間内の「話すこと」の言語活動の時間及び発展的な言語活動を行う時間を、毎授業のはじめの15分間確保する。その上で、指導期間を3つのステージに分け、ねらいを決めて段階的に取り組み、最終的に自分のスビーチができるようにする。
(2) 練習活動の工夫
3年生における研究で課題とされた「アクセント」、「相手との対応」、「スピーチの内容」の3つを、重点項目として練習する機会を設ける。
(3) 「話す力」をとらえる方法の工夫
生徒の「話す力」の変容を細かくとらえるため、各種テストを実施するとともに、各ステージの「話すこと」の活動を録音する。
2 実践研究
(1) 授業の実際
[1] ステージI
時間 ステップ1
(「話すこと」の体験)1 ・トピックを決めて、マッピングによってスピーチの内容を考える。 2 ・マップを見ながら、できるだけ多く英語で話す。(1分間話し続けられるように) ・活動を振り返り、自己評価を行う。 〈マッピングの例〉
英語を話すことに抵抗があったようだが、マップを見ながら何とか取り組んでいた。
時間 ステップ2
(アクセントの練習)1・2 ・カタカナ発音(1,2年の教科書にある英単語の発音等をカタカナ表記したもの)や練習の 進め方を理解する。 3〜11 ・ペアで、「正しいアクセントで言えるか」、「正しく書けるか」をゲーム形式で練習する。
・5問は、教師が出題し、残りの5問は生徒が考えて出題する。