福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -022/042page

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とに対しては内面的な心情も理解し、心から反省できるよう学年全体で対応する。

・学年内の情報の共有化はもちろん、養護教諭、部活動顧問からも積極的に情報を得る。

・学年教師が日常的に授業を訪問し合い、T・T授業を行うなど、授業の充実に努める。社会科部会にも協力を求め、清水先生は、授業の工夫・改善を進めていく。

学年会の確認事項は教頭先生に報告され、社会科主任に協力が要請されました。

学年会の後、清水先生は4月からの自分を振り返っていました。

「先生方は生徒を見つめ、対応している。自分は教師の立場や自分の都合で話したり授業をしたりするぱかりだった。生徒の気持ちや立場、ストレスなど全然理解していなかった。今のままの自分では…、教師としての姿勢を変えなけれぱ…」清水先生は、生徒と向き合っていこうと強く決意していました。

4 チームでの取り組み〜生徒の目線に立つ〜

清水: 興味・関心が高まるよう授業にクイズを取り入れようと思うのですが。
教科主任: いいじゃないですか。授業と関連付けた内容を工夫できるといいですね。 それから、意欲が高まるような教材も準備していきましょう。
清水: さてみなさん、今日はこれを使っての授業です。この新聞紙に何人乗れ るか、後ろに集まって挑戦してみよう。最低6人は乗りましょうね。
中山: なにそれ、そんなのやんの。(プツプツ)
教科主任: はい、どんどん乗って乗って。落ちそうなときは周りの人が支えてよ。
佐藤: ようし、俺乗るぞ。ああ、落ちる落ちる、ハハハハ…。
清水: はい、お疲れさま。何人乗れた。6人は乗れたかな。
生徒: 6人がやっとだ…。全然だあ…。
清水: 今みんなが体験をしたものは、…実は、東京の朝のラッシュの様子なんです。
中山: えー、こんなギューギューなの。大変だなあ。
教科主任: そうだよね。大変だよね。
中山: やっぱり俺は田舎がいいね。ハハハ…。
生徒の目線に立つ

「今日の授業をやってみてどうでしたか。最初はブツブツ言ってた中山君も最後はまじめに取り組んでましたね。」
反省会での教科主任の言葉に、清水先生は生徒の様子を思い浮かぺました。確かにこれまでの授業の様子とは違っていました。他の学級の授業でも活気があふれていました。「教科主任の助けを得ながらも遅くまで行った教材研究は無駄じゃなかった」そう感じていました。

5 変化の兆し 〜つながる心〜

朝や昼休みや放課後、できるだけ生徒とかかわろうと努めていた清水先生は、和泉さんが教室で、一人うつむいている姿を見かけました。


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