福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -025/042page

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さらに構想するにしても、いろいろなアイデアがなければ取りまとめができない。そのため、下図のように、構想段階において発想段階と有機的にフィードバックする過程で多くのアイデアを収集する手だてを工夫した。

〔制作の流れ〕
制作の流れ

(2) 生徒一人一人が成就感を味わうために

学習において、表現の喜び(成就感)は、各個人の中で生じる内的なものと、外部とのかかわりによって生じる外的なもの。とが考えられる。美術科における成就感の例として、以下のようなことが考えられる。

〔成就感の例〕
内的なもの 外的なもの
○自分の意図した通りの作品が出来上がった場合
○自分の予想したとおりの表現効果が現れた場合
○自分の考えをうまく表出できた場合
○新しい技法を身に付けたと実感したとき
○自分の表現が独創的なものであることがわかったとき   など
○自分の作品や考えが友人によって称賛された場合
○自分の作品や考えが教師によって称賛された場合
○自分の作品や考えがその他公の場で認められた場合    など

これらの観点を押さえた上で、題材、指導過程での留意点、評価を検討した。

(3) グループワーク活動について

グループワークを取り入れた学習形態は、「題材の中でグループワークによる活動場面を設定する場合」と、「グループワークによる制作を主体とした題材を開発する場合」に大別できる。本研究では、後項の目標が明確であり、生徒の意識を高く維持しながら活動できる題材開発を重点化した。

(4) 相互評価の工夫について

生徒一人一人のよさは、集団の中でこそ発揮される。相互評価も、全体の中でいかに個が認められたかが重要になる。個々の活動がどう集団活動と結び付くかを生徒たちに実感できるようにするため、グループ活動においては構成的エンカウンターの手法を用い、個々の意見を十分に生かせる雰囲気作りを心がけた。

III 研究の実際と考察

1 検証授業[1]

(1) 研究対象 第1学年

(2) 題材名 アニメ de ダンス
      (粘土を使った動画制作)

(3) 本時のねらい

アニメーションの参考作品鑑賞を通して、学習全体の見通しと活動内容を理解する。

○ これから制作する作品について、インスピレーションを得ることができる。

○ 役割分担を決め、友達と協力して作業を進めることができる。

2 検証授業[2]

(1) 研究対象 第1学年

(2) 題材名 アニメ de ダンス
      (粘土を使った動画制作)

(3) 本時のねらい

グループワークによって、制作するシナリオとキャラクターを設定する。

○ それぞれのアイデアを取捨選択してまとめることができる。

○ 一人一人の適性にあった制作上の役割分担ができる。

3 検証授業の実際と検証

(1) 検証の観点

ア アニメーションという題材は、生徒の企画力や構想力を育成する上で有効か。
     (事前事後意識調査・観察)

イ 構想段階でのグループワーク活動は生徒の企画力や構想力を育成する上で有効か。


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