福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -028/042page
研究紹介
〈中学校技術・家庭科〉
電気領域における題材及び教材・教具の工夫と活用〜テーブルタップの製作を通して〜
教育センター長期研究員 森 義彦
1 はじめに
技術・家庭科の学習過程では、生徒が自ら進んで考えたり工夫したりするなど、思考活動を伴う場面が多い。知識や技術の習得及びそれらを活用する過程では、自分で考え、判断し、表現することが要求される。そのためにも思考力の育成は大切である。思考活動の各過程では、様々な科学的な思考が働く。科学的な思考は、いくつかの要素に分けて捉えることができる。
思考活動を活発にするために、学習内容とそこで用いる教材・教具を科学的な思考の要素に基づいて分析を行った。また、教材・教具の指導過程における位置付けと生徒の実態に応じた提示や活用方法を考慮し実践研究を行った。
2 実践
(1) テーブルタップを主題材とした領域の展開
テーブルタップは、一般に導入題材として用いられていることが多いが、多くの学習要素を備え、発展性の高い教材である。
そこで、パイロットランプと中間スイッチを付け加えたテーブルタップを主題材として、製作を行いながら幅広く電気の学習ができるように領域の展開を工夫した。
テーブルタップ製作の過程で直面する疑問を解決するときに、教材教具を用いて様々な実験を行うことで、思考を活発にし、学習内容を多岐に発展できると考えた。次は、テーブルタップを主題材とした展開構想図である。