福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -029/042page
(2) 工夫した教材・教具での活用
テーブルタップの製作の過程で生じた疑問を、実験を通して解決するため工夫した教材の一部と授業での活用を次に示す。
この装置は、芯の本数による発熱の違いを調べるものである。
多くの生徒は、ビニルコードの被覆をむく際にコードの芯も同時に切断しやすく、切断した芯の本数によっては危険ではないか等の疑問をもつ。そこで、この装置を使った実験に、結果を予想したり、発熱の状態を比較・分類したり、発熱した結果を分析的に判断したりする活動を取り入れた。
この授業により、許容電流から発展して、電気コードの種類、電流遮断器、ヒューズの働き、電気機器の安全な使い方まで学習することができた。
[2] 発電モデル装置
この装置は、負荷を変えたときに、ハンドルを回す力の違いを調べる手回し発電機である。
コードをねじなどの端子に巻き付ける作業では、芯が端子からはみ出しやすい。二つの芯が接触しそうな状況では、安全に使えるか等の疑問が生じる。そこで、短絡する様子を観察した後、この装置で豆電球の数を増やしたり短絡せたりすると、ハンドルが徐々に重くなることを体得した。この実験により、発電機に加える力を電流の大きさと関連付けて考えさせた。さらに、短絡時に流れる電流の大きさから電流遮断機が作動する現象を、筋道を立てて推論する活動を取り入れた。この授業により、負荷の役割や電流遮断器の役割について確認し、さらにモーターやスピーカーのしくみについての学習へ発展することができた。
この装置は、配電線と漏電している洗濯機のモデルである。
ビニルコードの被覆をむく作業やプラグの組み立ての際に被覆に傷をつけてしまい、芯が剥き出しになる場合がある。この芯の部分に接触すると感電するのか等の疑問が生じる。そこで、この装置を使った実験により感電の現象を電線にいる小鳥やアースの有無による洗濯機で再現