福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -033/042page
「変化」の2つの大テーマ(キーワード)をクラス別に設定し、これをもとにグループごとにアイデアを出し合い、話し合いながらグループ・テーマを決定させた。
2 発想・構想段階での手だて
グループによる制作活動においては、作品に対する共通したイメージをいかに持ち得るかが重要になってくるため、発想・構想の段階におけるグループ活動では2つの手だてを講じた。
(1) 発想や構想段階での付箋紙の活用
グループ・テーマを模索したり、映像のアイデアを持ち寄ったりする段階では、グループの活動を活性化させるために付箋紙を利用した。大テーマやグループ・テーマから連想した単語や、映像・音などのアイデアを思い思いに付箋紙に記入し、台紙に貼りながら検討を重ねていった。
(写真:付箋紙を活用したグループ活動) 付箋紙の活用に関しては、ブレーン・ストーミング的手法でアイデアを自由に出し合ったり、KJ法のように類型化したり、映像の流れを考えながらフローチャート状に並べ替えたりと、いくつかを例示した後、グループごとに考えるようにさせたため、各グループそれぞれに異なった活用をしていた。
(2) イメージを具体化させる絵コンテの作成
付箋紙を用いた活動により作品のアイデアがまとまった段階で、絵コンテの作成に入る。絵コンテの用紙には、各カット枠と文章による補足説明の欄を設けた。
(図:絵コンテの作成例) 絵コンテの作成にあたっては、のちに無理が生じないように、いつ、どこで、何を撮るのかといったビデオ撮影の計画や、写真などの素材の選択、確保もあわせて考えるよう指導した。
また、特殊な映像効果などは、使用する機材やソフトウェアに依存する部分が多いので、できることとできないことに関しての指導者の切な助言が必要になる。
3 素材の撮影や収集、編集作業のポイント
絵コンテの作成によって構想がまとまると、次に素材の撮影や収集の段階となる。
撮影の際には前もって、ビデオカメラは振り回さずにできるだけ固定すること、意味のないズームインやズームアウトはしないなど、機材の基本操作に関する指導を行った。
編集の準備として、写真やイラストレーションなどの静止画像をスキャナで取り込んだり、ビデオ映像で必要と思われる部分をおおまかにコンピュータに読み込ませたりする。素材は編集の際に選択できるよう、いくぶん多めに用意させた。この活動をスムーズに行うためにも、しっかりと作品の構想を立てておくことがポイントになる。
編集作業はグループごとに場面転換や特殊効