福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -034/042page

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(写真:コンピュータを操作し、編集を進める)
コンピュータを操作し、編集を進める
果などをモニタ上で確認しながら進めるが、適切な支援のためにはソフトウェアやハードウェアに対する指導者の知識が必要とされる。

今回は、素材の取り込みも含め、編集作業に要した時数は8時間程であった。編集終了後、必要に応じてビデオテープ等に出力し、作品の完成となる。

III 考察と研究のまとめ

1 成果

授業実践後に生徒に対するアンケート調査を行い、発想・構想段階における手だての有効性、日常の身近な映像作品に対する意識の変化を調べた。

(1) 付箋紙の活用と絵コンテの作成

発想や構想時における付箋紙の活用および絵コンテの作成に対し、何らかのかたちで制作に役立ったと答えた生徒がどちらも90%以上を占めた。生徒の主な感想は次のようなものである。

[1] 付菱紙の活用について

・いろいろと連想し、たくさんアイデアを出すことができた。
・思いついたものを並べてみることができ、わかりやすかった。
・(付箋紙を)移動できるのがよかった。

[2] 絵コンテの作成について

・どのような流れにするか確認できた。
・撮影や資料集めの時に、具体的なイメージがあったので役立った。

アンケートでは発想や構想が重要であったとする回答が多く、付箋紙の活用や、絵コンテ作成等、手だての有効性が確認できた。

(2) 映像作品に対する意識の変化

「CM 等、身近な映像作品に対する見方が変わりましたか」という問いに対しては、こちらも90%以上の生徒に意識の変化が見られた。
おおむね次のようなものである。

・(映像の)効果や編集の仕方を注意して見るようになった。
・なんとなく作る側の目線で番組を見るようになった。
・時間をかけて苦労して作っているのがよくわかった。

上記の回答からも、生徒の映像作品に対する理解の深まりがわかる。制作活動を体験することによって、映像情報をより主体的に受け止められるようになり、幾分なりともメディア・リテラシーの獲得に寄与するところがあったといえよう。

2 課題点など

同アンケート調査において、「制作活動全般をとおしてどのようなことがいちばん困難でしたか」という質問を設け生徒のつまずきを探ったところ、次の二点が回答のほとんどを占めた。

(1) 時間的要素をもつ素材の扱いや組み立て

授業の対象となった生徒全員にとって時間的要素をもつ映像作品の制作は今回が初めてである。どのような映像が必要か、それをどのようにつなぐかは制作上の一番の問題であると同時に、授業のねらいでもある。授業時数を十分に確保し、生徒が自分の表現に納得のいくまで取り組ませたい。

また、こういった映像作品の制作に馴染みが薄いという点に関しては指導者にとっても同様であろう。授業においては、指導・支援する一方、生徒と一緒に考えるというスタンスも必要と思われる。

(2) コンピュータの操作やソフトウェアの技術的習得

表現すること以前のこの問題にもどかしさを感じた生徒はやはり多い。これは学校教育にお


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