福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.136(H14/2002.7)-007/036page

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カリキュラム研究チーム


『個に応じた学習指導』のための工夫


1 はじめに

カリキュラムとは、教育目標の設定、学習内容の選択とその組織化、評価の一連のプロセスを含む概念の総体を示す言葉である。従って、カリキュラムは一度作成されるとそれでおしまいといったものではなく、絶えず検討され、評価され、修正されていく継続的なプロセスを含むものである。カリキュラムの改善は、教師の日々の創意と工夫の積み上げによって行われるべきものであり、このような意味を含めて、最近では「カリキュラム開発」という用語がよく使われる。

教育課程審議会は「自ら学び自ら考える教育へと、その基調の転換を図る。」ことをうたい、個に応じたきめ細かな学習指導の実践を求めている。しかし、学校教育の基調の転換は、諸制度を変えるだけでは実現しない。学習指導要領が変わったからといっても、各学校の教育の基調が直ちに変わるものでもない。カリキュラムを実行に移すのは、教師一人一人である。このことを考えるとき、教職の専門性の中心は、カリキュラムを開発する能力であり、教育改革の論議は、カリキュラムの研究・開発の問題に集約されると考える。当教育センターでは、今年度から「カリキュラム研究チーム」を発足させ、各学校のカリキュラム開発を支援すべく、研究テーマを設定し、研究をスタートさせた。

2 研究の概要

今、初等中等教育においては、社会の一員として社会生活を営む上で必要な基礎・基本の習得を一層徹底するとともに、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力、すなわち「課題探求能力」の基礎を育成することが求められている。

児童生徒に、このような確かな学力を身に付けさせるために文部科学省は「学びのすすめ」等において教育現場への支援策を具体的に示した。本県においても、「うつくしま教育改革推進プログラム」を策定し、本県としての教育改革推進に向けた施策を明らかにした。これらを受けて各学校においても、きめ細かな学習指導で基礎・基本を確実に定着させるとともに、一人(人の個性や能力を最大限に伸ばし、確かな学力の向上を目指して、「少人数学習指導」や「習熟度別学習指導」に取り組んでいる。このような学校の取り組みを支援するために、A、B二つの班を組織して研究を進めることとした。

研究A班においては、各学校におけるこのような取り組みの状況について調査・分析し、これまでの取り組みについて検証することとした。

また、このような取り組みを支援するためにも、児童生徒の学習到達度を客観的に把握する継続的な学力調査が必要であり、国においても本県においてもこのような調査が計画されている。しかしながら、これまでの学力調査は、集団の平均値に基づく調査・分析が中心であった。
先に述べたようなきめ細かな学習指導の充実を目指した各学校の取り組みを支援し、さらに適切な教育施策を行うためには、詳細な調査・分


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