福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.137(H14/2002.11)-006/036page

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例示に、国際理解、環境、情報、健康福祉があげられていますが、これらは現代社会の重要なテーマですが、これをどのように学習していくかが大切です。国際理解を例にとると、世界の問題を日常生活と関わらせて学習していくという視点が大切になります。つまり、日常生活と世界との関わりを解明していくことが必要なわけです。このためには、生活と世界とをつなぐ視点が重要になります。それがグローカリズムです。これはグローバルとローカルを合わせた合成語です。どのようなことかというと小学6年生の実践を例にお話します。

日本調べをやってみた所、スーパーで調べる物は日本製ではないんです。豆腐を調べたグループがありました。スーパーで豆腐を買うと安いものから高いものまであります。豆腐の値段について子供たちが調べた所、150円で違いがあったそうです。150円以上だと、豆腐に「国産大豆使用」と書いてあるそうです。安い物だと大豆の原産地はアメリカかカナダ、中国だそうです。

さらに調べていくと遺伝子の組み換えの話がでてきます。大豆などは遺伝子組み換えをしたものが多く、トウモロコシもそうですが、それらは健康に害がないのかという疑問がでてきます。でも家に帰ったら「毎日200円の豆腐は食べられないでしょう。」とお母さんに言われるというんです。豆腐という1つの素材を通しながら日本とアメリカとの貿易の関係が見えてきます。つまり私たちの身の回りの中に世界とつながりを示すような物がいっぱいあるのです。

現代社会はいろんな意味で複雑で今までになかったような現象がいろいろでてきています。現代社会は、複雑で多様化しています。この社会を読み解いていく力を身に付けていくことが求められますが、日常生活を通してそのことを実現していくことが大切です。

また、この「現代社会を読み解いていく力」をつけるには、読解力や基礎的な力が必要です。当然教科との関わりが必要になります。

先の高齢者の実践で言うなら、高齢者と関われるようになれるだけでいいわけではありません。今、日本全体がかかえている問題、これから日本が高齢化社会に向かっていったときの福祉の在り方、介護の在り方などと関連させる中で社会を読み解く力をつけていくことが重要になります。

第二は「知識を構成する力」をつけていくことです。固定的な知識だけではなく、自分自身でその知識を作りかえていくカです。それは一面的なものの見方ではなく、多面的なものの見方につながっていきます。高齢者の学習を例にしましょう。

高齢者の学習で、子供たちは、老人=弱者=援助の対象者であるというある1つのカテゴリーに当てはめて理解しているのですが、さらに調べていくと、子供たちは老人というのはいろんな人たちがいるんだということに初めて気がつきます。「そういえばあそこのおじいさん70歳こえても毎日自転車に乗って、届けものしてるよ。」と分かってくるのです。

つまり、老人=弱者=援助の対象者として捉えてしまうのではなく、子供たちがカテゴリーをこわし、違った視点でみていくことが必要です。

このことは、複数の学習材を提供することによって可能になります。今までと違う見方、複眼的思考、あるいは多様な物の考え方を養うことが求められます。では、子供たちの中に多様な物の考え方をどうやってつけていったらいいのか、東京の江東区の小学校の取り組みを紹介します。

5年生が、総合的な学習で米をテーマに取り上げました。お米はよく総合的な学習のテーマになります。
子供たちが学習を進めていくと、「お米を栽培するのには農薬は一切使わない方がいい。」「有機


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