福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.137(H14/2002.11)-013/036page

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やっかいなことですが、書くということで振り返りもできるし、そのことで学力もついてきます。つまり、自分の言葉できちっとまとめていくことを通して発信型理解をさせることが、きちんとした学力として身に付いていくということです。

学習活動を組織するとき必ず評価の観点をいれ必ずノートを取らしていく、これをもとにポートフォリオを作らせていくということを申し上げたわけです。

子供たちの学習が深まるかどうかというのは先生の目がどれだけそこに入っているかどうかということです。子供の主体的活動を大切にするのはいいことですが、総合的学習だからといって全て丸投げするというのは問題です。必ず先生の指導が必要であり、そのためには形成的評価が欠かせないということです。そうすることによって初めて子供の学習が生きて深まっていくわけです。

また、総合的な学習で気をつけたいのは、学習をまとめてしまう危険があるということです。学習を収束させるのではなく、開いていくことも大切です。子供が自分の力で課題を見つけることが総合的な学習のねらいになっていますが、これはそう簡単ではありません。学習のまとめでようやく、こんなことに疑問を持ちましたとか、あるいは、今度これを調べてみようと思いますとか、次の課題が出てくるというように、オープン・エンドなものです。このことは総合的学習を安易にまとめすぎないということを意味しています。

 

5 総合的学習の指導計画の作成

最後に、簡単に指導計画の作成についてお話します。総合的な学習では、短期集中の取り組み、学期を通した取り組み、さらに年間を通した取り組みが考えられます。

短期集中型といったものは、教科と連動させることができます。教科には教科目標がありますが、この単元を終わった後に、その単元と関わりのある授業を組んでいくということです。教科と関連させた例です。

小学校3年生の算数で「かさ」の勉強をしてました。「かさ」の勉強が終わった後に、宿題を出します。「今日家でご飯どのくらい食べるか聞いておいで。」と。今までキロとかグラムを習っていますが、ここで何合という単位がでてきます。これなんだろうかということでここから授業が始まっていくわけです。

「家でお父さん毎晩お酒2合飲むといっているけれどそれも同じか、じゃ量って見よう。」といって初めて1合が何グラムということが分かってくるわけです。

このように、特別の授業を意図的に組んでいくことで、総合的な学習の単元の作成につながっていきます。少しの工夫で単元づくりができます。しかも、教科と連動させていくと、教科内容の深まりにもつながります。

学期を通した取り組みは、交流などが考えられます。あるいは栽培も学期を通さなければできません。それぞれふさわしいテーマを見つけて欲しいと思います。

年間を通した取り組みではよくやられているのが、学芸会でのオペレッタづくりです。子供自身がストーリーを作っていく、子供自身が大道具小道具を作って、そして実際に発表していくといった取り組みです。

実際に学習活動を作っていくときには、教科と連動させることで、総合的な学習をうまく組織していくことができます。各学校の実状に応じて柔軟に指導計画を作成し、実践を積み上げてくださいということをお願いして、私の話を閉じたいと思います。


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