福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.137(H14/2002.11)-026/036page
持って子供たちに支援することができた。学習面においても、意欲的に活動する子供が増えてきた。
(2) 地域教材・人材との出会いの工夫
○ 教務が情報センター的な役割を果たし、積極的に情報を先生方に流していくことにより先生方も意欲的に活動するようになった。地域を知るために、まず、地域の行事に子供を参加させたことは、以後の活動にも広がりが持て、ボランティアティーチャーとのかかわりもスムーズに行えた。
(3) 子供が主体的に地域にかかわっていく教育活動の実践
○ 子供を主体的に地域にかかわらせようとするためには、教師が先に積極的に地域にかかわっていくことが大切である。
N先生は、週案の中に次のようなことを書いている。「子供のバリア(私自身も含めて)を少しでも小さくしていくためにどうすればよいか。いろいろ考えたがなかなかよい考えが浮かばない。どうしようもなく更生園のMさんに電話をすると、快く相談にのってくれることとなった。地区の施設の方に感謝したい。」
単発的なボランティアティーチャーであると、授業の中身まで深くかかわっていくということはないかもしれないが、単元を通してかかわっていただいたことで、授業の中身にまで踏み込んだ話ができるようになった。何度もこちらから積極的にかかわっていくことにより、一方通行型から双方向型へと教育が転換されてきている。○ 子供が積極的に地域やボランティアティーチャーとかかわることができるようにするために、交流を主体とした単元構成を工夫したり、学び方を身に付けさせてきた。特に、少しでも多くの交流を図ろうと支援してきたことにより、教師も予想しない活動へ発展していくなど、子供たちは、主体的・意欲的に活動するようになった。
2 今後の課題
○ 主体的に地域とかかわっていく児童を育成していくためにも、地域から学ぶことばかりではなく、学んだことを地域に生かす学習活動の展開についても考えていく必要がある。
○ ボランティアティーチャーの方々と一緒に学習について振り返る場を設け、本時または、単元を通した評価を行い、授業の改善を図っていく必要がある。
○ ボランティアティーチャーについては、1時間単発的にかかわっていただくのではなく、単元を通して、どこで、どのような目的で活用を図っていくのかを明確にして今後も計画的に活用を図っていく必要がある。
X おわりに
今回「地域の教育力を生かした授業の改善」ということで実践してきたが、地域の教育力を生かすためには、地域の教育力に任せっぱなしにすることではなく、教師自身も子供と共に学ぶことにより、地域を知る努カをすることが大切であるということが実感できた。教師が子供と共に学ぶという姿勢をとっていくことにより、子供の思考に沿った学習活動が展開でき、地域と子供と教師が一体となった教育活動のあり方が少しずつ見えてきたように思う。