福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.137(H14/2002.11)-030/036page
(2) 授業の概要
〈検証授業T〉
検証授業Tは、総合芸術であるオペラについての理解をする時間である。また、オペラの興味・関心の喚起はもちろんのこと、この題材の全てを決定する導入の段階である。まず、事前に曲のタイトルや説明もなく、オペラ「アイーダ」の第2幕第2場の「凱旋を祝う大合唱」を聴かせ、情景を想像させた。次のような内容であった。・人類、生命の誕生
・船の出航
・身分の高い人の結婚式
・競馬場に馬が入ってきたところ
・兵隊さんの行進
・サッカーの試合の応援 など。生徒は、荘厳な音楽に驚き、いろいろな物音に耳をすまし、想像をめぐらせ聴くことに集中していた。その中でも、行進のリズムであることに着目した生徒がいたり、サッカーでの試合に流れる音楽だと気づいたりする生徒もいた。
[要素を説明する曲]
次に、それぞれの要素についてとらえさせるために提示する曲の選択も、生徒が興味・関心をもちイメージしやすい魅力あるものを選択した。
@ 独唱「運命の力」教師演奏 A 合唱「野ばら」ウィーン少年合唱団 B 舞踊r白鳥の湖」オペラ座バレエ団 C 演劇「魔笛」スカラ座 5つの要素からオペラができていることを理解し、そのオペラを見ることに興味・関心が高まってきたところで、導入時に聴いた「凱旋の大合唱」の場面を見た。この場面が全体のどのような場面かを知りたい、登場人物についての理解を深めたいという気持ちを高めたところで本時が終了した。生徒たちは、オペラを難しいと思うより、オペラという芸術が様々な要素から成り立っているということに、興味・関心を高めることができた。