福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.138(H15/2003.2)-012/036page
(2) 教材レシピの開発と授業実践
教育の情報化の先進地域である岡山県情報教育センターの助言を得ながら、11の教科・領域で教育用コンテンツを効果的に活用する教材レシピの開発に取り組むとともに、研究協力者による7回の授業実践を実施した。授業実践では、今回開発された画像・動画などの地域コンテンツを活用して、わかりやすい授業となるよう配慮した。また、児童生徒が高精細で大容量の地域コンテンツをスムーズに利用できるようにするため、コンテンツを保存したサーバを校内LANに設置したり、液晶プロジェクターなどを活用して臨場感を演出するなど、2005年を目途に整備されようとしている教室環境を擬似的に構築した。今後、外部協力者との連携により様々な教科・領域で利用できる地域コンテンツを活用した教材レシピを整備していく必要がある。
開発された教材レシピ一覧小学4年社会 わたしたちの県 中学1年理科 植物の世界 中学2年理科 天気とその変化 中学3年理科 地球の運動と天体の動き 中学・高校全学年 英語 月・日の言い方 中学・高校 美術 文化祭におけるPRチラシ作成 高校1年情報A 情報機器の発達と生活の変化 高校2年音楽U 郷土に息づく日本の伝統音楽 高校3年商業 ネットワークセキュリティ 高校3年政治経済 国際経済のしくみ 高校 全 特別活動 自分の子どもに名前をつけよう (3) 新教科「情報」を支援する3つの取り組み
アンケー卜の結果明らかになった課題に対して、次のような対応策をまとめた。
@ 実現可能な方法に関する情報と研修の提供各学校の機器やソフトの不足が授業に支障を与えないよう、実現可能な方法に関する情報と研修の機会を提供する。
A 「情報教育」に対する理解の深化
情報教育に対する理解を深めるために、悉皆研修や校内研修など様々な機会で、必要性や有効性を認識できるような体験を伴った研修を行う。
B 授業担当者の不安軽減
授業担当者の不安を軽減するためには、二ーズに応じた研修講座を設置して研修を深めるとともに、情報交換の場を設け、指導案や指導事例などの共有化を図る必要がある。具体的には、「授業構築」「情報モラル・著作権」「ネットワーク・マルチメディア」等、教科「情報」担当者の二ーズに応じた講座を新設する。また、情報交換の場として「情報」担当者のためのメーリングリストも開設する。終わりに、福島県学術教育振興財団からの助成をいただき、研究を円滑に進めることができたことを併せて報告し、謝辞に代える。