福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.138(H15/2003.2)-014/036page

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また、家庭の教育力を高めるための取り組みも見られ、地域の教育力向上を願う気運の高まりと相まって「地域との連携」が進みつつある様子を見て取ることができる。

4 家庭の教育力向上

前述した家庭の教育力向上に関する取り組みについては、「家庭教育学級」等の名称で各学校の学校要覧に位置づけられている。小学校では、17.8%、中学校では、9.4%の学校要覧に表記されていた。(表4)
表4              (%)
家庭の教育力向上

新しい教育課程では、学校のみならず、家庭、地域との連携による教育の充実が大切である。

今後、各学校では、保護者などの啓蒙を通して家庭の教育力を高めるために、さらに様々な創意工夫がなされるものと思われる。

5 新しい動き

「学校の裁量権の拡大」という視点では、各学校の配当予算に包括的な意味合いを持たせ、ある程度の範囲で校長の裁量による予算執行を可能にして、「特色ある学校づくり」を推進しやすいようにしようとする取り組みが見られる。学校の主体性を生かすためには、学校の特色に応じた予算執行ができるようにすることが必要である。小学校では12.9%、中学校では10.4%の学校要覧に「学校予算委員会」の名称が表記されており、新しい動きとして見て取れる。 (表5)
今後、「特色ある学校づくり」を推進していくために、予算の重点配分等により学校教育の効果を上げていくという流れがでてくるものと思われる。
表5             (%)
新しい動き

6 まとめと考察

各学校では、今後ますます学校の特色を出しながら、「開かれた学校づくり」の推進を図っていくものと思われる。各学校で作成する「学校要覧」は、学校から発信される教育情報として、家庭、地域、関係機関等の教育力向上に生かされ、さらに、それらの教育力を学校教育に取り込んでいくための貴重な媒体となるものと思われる。

また、「学校要覧」を「特色ある学校づくり」の説明資料や教育情報として学校から発信していく学校が増えてくるものと思われる。

このような取り組みは、教育活動の具体的な説明を通して、他の理解を深める絶好の機会でもある。この機会に教育情報の受け手の側に立った「学校要覧」の在り方について考えてみることも大切ではないかと思われる。

学校要覧
学校の物的、人的条件の実態、運営方針・組織及び環境条件を学校関係者以外に知ってもらうために作成したもの。作成上の法的義務はないが、たいていの学校は毎年用意している。その様式と内容は学校により様々であるが、土地・建物の概要、校地平面図、年度努力目標、教職員一覧(組織、性別、年齢構成など)、学校運営、校務分掌図、校区図、地域別児童数、児童の実態、身体状況、家庭の実態などが記載されている。
(現代教育用語辞典・第一法規)

 


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