福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.139(H15/2003.7) -003/036page

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― 「は・っ・し・ん」 〜 センターは今! 〜 

 

学校評価研究チーム


学校評価システムの構築と学校改善


はじめに

本研究は平成14年度「開かれた学校づくりの推進〜学校評価システムの構築を通して〜」の継続研究である。「開かれた学校づくり」にしても「特色ある学校づくり」にしても、より積極的な意味での「学校改善」が急務であることから、標記のテーマに変更した。

1 学校評価に関する基本的な考え方

(1) より積極的な意味での学校改善

教育の地方分権の流れの中で校長を中心に各学校の自主性・自律性を高めつつ、学校の経営責任を明確にすることが求められている。そのために、保護者や地域住民に学校の実態を説明する資料として、また教育目標の効果的な達成に向けた学校改善の営みとして、学校の自己評価の重要性が提起された。

したがって、単に説明責任のためのみではなく、個々の教職員が自校及び自己の教育活動を見つめ直し、改善することに目を向け、自らの指導力の向上と、教育活動の改善に結びつける学校評価との積極的な認識に立つことが重要である。

また、学校評価を独立に論ずることがしばしば見受けられるが、そもそも「評価」は、指導や活動など、ある種の行為を改善するためのものであるはずである。計画・実践が評価の前提であり、評価のための評価ではなく改善のための評価であるならば、計画(Plan)・実践(Do)・評価(Check)・改善(Action)の一連の流れの中で論じることが重要である。

ここで言う改善とは、より積極的な意味での改善であり、換言すれば学校の現状に変化をもたらすものであることが重要である。変化をもたらす対象は、単に学校経営・運営のみならず学級経営、教科経営、生徒指導等と多岐にわたる。個々の教職員が教育目標達成のためにできる範囲・領域から始め、一つ一つの実践の積み重ねを学校全体でとらえたとき、各学校独自の学校評価システムが構築され、学校経営・運営全般にわたって改善がなされることになる。また、これらの実践の継続を通して教職員個々の資質の向上に結びつくことにもなる。

(2) 学校評価システムとは

学校評価の目的、内容、方法、実施の時期及び組織さらには結果の活用等と学校改善までの一連の流れを具体的に組み合わせることと捉える。

学校評価は非常に実践的な問題であり、実践上の裏付けをもたない限り空論のままである。有効な事例を積み重ねて、各学校の実態にあった学校評価システムを構築すること(自校化)が重要である。

@ 学校評価の目的

評価の結果に基づき、教育活動について改善を図り、教育の質の向上を図るために学校評価を行う。

学校評価自体が目的ではなく、あくまでも学校の教育目標の実現に向け、教育活動がどこまで有効に行われたかを見直し、教育活動の改善を図るための手段である。また、学校評価を学


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