福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.139(H15/2003.7) -024/036page

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身近な人と進んで関わり、ともに活動することを楽しむ児童の育成


〜隣接する幼稚園児との交流を通して〜

いわき市立錦小学校 教諭  吉 成  修 子

T 主題設定の理由

1 学習指導要領の改訂に伴う生活科の目標の改善から

生活科が新設され約10年を経て、初めての見直しが行われた。教科の目標は、今日の社会で問題になっている「人と人とのかかわり合いの希薄化」を意識し、従来のものの「社会及び自然〜」の前に「人々」という言葉が挿入された。

したがって、これまでのねらいを十分におさえつつ、「人とのかかわり合い」について、これまで以上に配慮して指導に当たっていくことが必要となってくる。

2 児童の実態から

(1) 日常的な「人とのかかわり合い」の実態から

本学級の児童をとりまく環境についての実態調査の結果をみても、核家族化、少子化などを起因とする社会一般の現象と同様の傾向がみられ、特に異年齢の子どもとの交流が少なく日常的な人間関係が希薄化してきていることが伺われた。

次のグラフは異年齢児との交流に関する実態調査である。弟や妹がいる児童はその友達の幼児との交流も多少はあるが、よく遊ぶと答えたのは全体の20%であった。上級生との交流となると、下校時刻が異なるためか、よく遊ぶと答えたのはわずか1名しかいなかった。

異年齢児との交流に関する実態調査

地域には子ども会があり、レクリエーションを年間に2〜3回行っているが、親が積極的にかかわらなければ十分に機能せず、参加したことがない児童もいる。また、縦割り登校班の友達とも学年が違えば一緒に遊ぶことがほとんどないのが実態である。

(2) 「話す・聞く力」の育成との関連から

児童数・兄弟数の減少とテレビゲームの普及等による遊びの変化により、戸外で同年齢・異年齢の友達と集団で遊ぶミことが少なくなっている。このような環境で育ってきた子ども達は、相手の立場を尊重しながら自分の考えをうまく伝えることを苦手とすることが多い。そこで、生活科においても、身近な人々との具体的な交流活動の中で適切なコミュニケーションを図り、人と


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