福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.139(H15/2003.7) -025/036page
のかかわり合いをより深めていく必要性がある。
(3) 隣接する幼稚園との連携から
本校のすぐ裏手には、毎年半数以上の園児が本校に入学している錦星幼稚園が隣接している。昨年度までは特に交流する機会はなかったが、今年度は機会をとらえて交流を行おうという話が持ち上がり、進めているところである。園児との具体的なかかわりによって有意義な体験ができるものと期待している。
以上のことから、隣接する幼稚園との交流活動を積極的に行うなど、身近な人々とかかわっていく活動を展開していくことによって、相手の立場に立って「話す・聞く」力等適切なコミュニケーション能力の育成を図り、人とのかかわり合いを深めていきたいと考え、本研究主題を設定した。検証授業を行うにあたっては、児童の関心が高く、幼稚園や1年生とともに活動することが可能な「みんなでつくろう フェスティバル」の単元に焦点を当てて、身近な人々とかかわる体験を十分にさせ、ともに活動する楽しさを十分に味わわせたい。
U 研究仮説
1 研究仮説
生活科の授業を展開するにあたって、次のような工夫をしていけば、身近な人々と進んでかかわり、ともに活動することを楽しむ児童が育つであろう。
@ エンカウンターにより、かかわり合うきっかけづくりをする。
A KJ法を活用して活動への思いをふくらませる。
B 相手意識を明確に持った活動をさせる。
C 交流の日常化を図る。2 研究のための理論
(1) エンカウンターにより、かかわり合うきっかけ作りをするとは
それまでかかわり合いがほとんどなかった児童と幼稚園児との心理的な距離をスムーズに近づけるために、みんなで遊ぶことを楽しませ、シェアリングにより楽しさを全体のものとして確認することが有効であると考える。
(2) KJ法を活用して活動への思いをふくらませるとは
親しくなった園児との交流をより深めるために、どんなことをしてあげたいかを思いつくままにカードに書かせ、類似性のあるカードをグループ編成し、整頓していく。
これにより児童は、自分の思いをしっかりと見つめ、また、友達の考えを受け止めることでさらに自分の思いをふくらませていけるのではないかと考えた。(3) 相手意識を明確に持った活動をさせるとは
「身近な人々」とは、ここでは「同じ学級・学年の児童」「1年生の児童」「親」「錦星幼稚園の園児」ととらえた。特に、錦星幼稚園の園児とは、園児1名と2年生2人のグループを作り、「お相手さん」として1年間交流していけるようにする。相手識を明確に持ち、招待する人への思いを強めることが、活動への意欲を大きくする。