北会津村誌 -045/534pag

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の今までの観測記録として最高である。特に宮川流域に大で、高田で連続雨量319.7ミリ、坂下で259.2ミリ、この地方では全く稀有のものであった。特に16日20時から17日1時にかけて、盆地西縁の山地帯には、雷雨をともなって、永い梅雨終期の表土が、飽和状態になっていた所へ、とどめをさすように、豪雨をもたらし、若松で16日24時の1時間降雨量42.6ミリが記録されている。

 これが盆地西縁の、近世の水田開発のため築造された溜池のいっせいの決潰となって現われた。会浄高田町八木沢地内で芦沢堤・丈田堤・寺沢堤決潰、萩窪地内で滝沢堤・滝峠堤・永井野地内で松沢堤、会津坂下町でも勝大・大村、船窪地内のいくつもの堤がいっせいに決潰した。このような現象は、堤の構築されなかった古い時代は勿論、1、2の堤の決潰による被害記録はあるが、このような溜池の、いっせい決潰

昭和31年7月17日 鶴沼川の堤防決潰溢流の様態
昭和31年7月17日 鶴沼川の堤防決潰溢流の様態


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