教育福島0115号(1986年(S61)10月)-041page

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をとり入れた年表づくりを進める。

※「マンガ年表」作成のポイント

1) 習ったところを年表にする。

2) ポイントだけを取り上げていく。

3) 必ず、イラストを入れる。

4) 説明を簡単に入れる。

5) 自分の考えも説明の中に入れる。

 

資料1 マンガ年表の作品例

(三) 検証授業概略(第四回検証授業)

 

(三) 検証授業概略(第四回検証授業)

 

(1) 小単元…六年「徳川家光と江戸幕府」 (本時は第八時)

(2) ねらい…幕府がキリスト教を禁止し、貿易を制限するようになったわけを、ひとり調べの発表や話し合いをもとにノートにまとめる。

(3) 指導過程(略)

(4) 授業の考察

1) 学習内容(国をとざす)と児童の予想(幕府を長く続けるには、貿易を盛んにすればよい)とに食い違いをもたせ、各自の下調べの発表をもとに全体で練り上げる学習の流れを組んだことにより、興味をもって取り組む児童がふえた。 (資料2)

2) 事実事象の確認の段階では、作業仮設(青鉛筆を利用したノートの整理)を取り入れたことにより、能率的に資料の確認・つけ足しができた、

3) 学習のまとめでは、自分の考えや意見を文章やイラストを使って、まとめられる児童が少しずつふえてきたが、資料の読み取りが不十分な児童についての個別指導も必要である、

 

資料2 小単元「徳川家光と江戸幕府」の指導計画

三、成果と今後の課題

 

三、成果と今後の課題

 

(一) 追究活動の展開に有効であった具体的手だて

(1) マンガ年表(資料1)

(2) 歴史新聞…小単元の追究活動の中で、自分で掘り下げて調べてみたいとき、あるいは、復習に役立つ新聞として有効であった。

(3) 案内原稿…案内の視点を定めて原稿を書くことにより、発表が楽しくなごやかな零囲気の中で学習ができた。

(4) ノートづくり…ノート使用の条件を規則としておしつけないで、ノートづくりの楽しみや工夫を前面に出したとき、意欲的に取り組んだ。

追究活動の中で、これらの.手だてが効力を発揮するのは、教師が明確なねらいをもって取り入れた時に限られる。

(二) 児童の変容

(1) 多くの児童が、社会科的遊びを興味をもって受けとめ、文章によるまとめが苦手な児童でも、イラストなどを使ってまとめられるようになつてきた。

(2) 指導計画に弾力性をもたせることにより、児童の追究活動が一単位時間にとどまらなくなってきた。

(3) 豆記者歴史リポートの活用により、調べ学習が参考書の丸写し的なものから、より発展した予習学習になつてきた。

(三) 今後の課題

(1) 歴史学習を身近なものとして、どう児童に意識させ、どう追究活動を持続させていったらよいか。

(2) 児童の多様な興味・関心に応ずるには、研究活動のパターンを多くするだけでは不十分であり、情意面の評価・学習形態についても見直す必要がある。

(3) 学習のねらい達成のための中心資料をどのように精選していったらよいか。(人物の取り上げ方を含めて)

(4) 豆記者歴史リポート(予習プリント)の内容・形式面からの再検討が必要である。

(5) 個別指導に役立てるための児童のカルテ・座席表によるチェックなどの検討が必要である。

 

 

 


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