教育福島0115号(1986年(S61)10月)-046page
−レポート・学校から−
子どもたちを見つめる理解する……そして、愛する
−地味な努力が学校を楽しく、しっかりとしたものにする−
各学校とも二学期に入り、勉強にスポーツにと打ち込んでいる毎日と思います。
今号の「楽しい学校」では、子どもたちの毎日の生活、そして変化等を見つめ続けることによって、一人一人を温かく、しっかりと指導していこうと努カしている学校の例と、生徒自らが小さな子どもたちと手をつなぎ、愛情の輪を広げることによって、自らの学校生活を充実したものにしようと努力している学校の例をお知らせします。
学校生活に活力とロマンを
−塙町立塩中学校
本校では、生徒の自主的、積極的な活動を促進するために、学校教育の全領域にわたって
・「体験」を通して理解する。
・生徒自らが意思決定をする。
を具体的な教育の視点として、展開しようとしています。そして、この視点から、次の二つを課題解決のための基本方針としています。
(1) 活力とロマンある学校づくり
(2) 学習に意欲をもち、一人学びのできる生徒の育成
〈具体的実践例〉………………………1)
見えないものを見えるように守らせられるから守らなければへ
〜生徒の活動の重視
…………………………
年間二回のアンケート調査の結果にもとづいた学級の話し合い、投書箱の活用、生徒会役員と顧問教師の話し合い等を重視し、その中から生まれてくる、かくれた問題の堀りおこしに努め、見えている問題だけでなく、見えないもの、生徒の心の内側にあるものを取りあげ、積極的に対応していく努力を続けています。
また、生徒が実践可能な週の努力事項、注意事項をかかげる等をして、教師の一方的チェック活動に流されないよう学級討議、生活委員会や評議委員会の討論を積みあげ、生徒の心に、校則は「守らせられるもの」ではなく、「守らなければならないもの」であるとの意識の改革をおこさせる努力をじっくりと続けています。
これらの日常的な指導の継続とともに、学校内外で行われる様々な教育活動を生徒会活動、学級活動と連動させて実施しています。
例えば、中体連等各種大会の壮行会、学級対抗の合唱コンクール、意見文発表会、発明工夫展等その他、毎日の朝自習の運営や、修学旅行の企画等、ただ単に行事を消化するというのではなく生徒一人一人の参加と責任の遂行を見守りながら、生徒にさま、ざまな体験をさせ、意思決定をさせることによって塙中生としての誇りや自覚、そして活力とロマンを得させようとしています。
実態に応じた教育相談
チャンス相談、日記帳の活用
生徒の心の重視
教育相談については、「生徒を正しく理解する」こと、「楽しく学校生活をおくれるようにする」ことを主眼として、定期相談の他に、いろいろな機会をとらえての「チャンス相談」を実施しています。
また、生徒の実態や問題行動の早期発見、早期治療の実をあげるため、本校生徒の実態に応じた三十八の観察項目をリストアップし、一日の生活を通して学級担任、教科担任のほか発見者が記録集積できる個人毎の観察記録簿
元気いっぱいの壮行会・塙中学校