教育年報1957年(S32)-011/71page
現したことは本県教育界に明朗な気分を
与えた。
(5) 人事の交流について
人事の交流については先に述べた「本
年度末人事に関する方針」に則して校長
交流については、全県的立場から適材適
所の配置を、教職員については、都市と
農村の交流、同一校永年勤続者の計画交
流、他管内、学校種別間の交流を推進し
教育効率の拡大をはかる意図のもとに円
滑な交流が行われるよう地教委に対しあ
っせん助言をした。
人事交流についてかえりみると
1 都市と農村の交流は今後もじゅうぶ
ん考慮して教職員の適正配置をしなけ
ればならないと思われる。
2 異動希望地が都市に集中している傾
向にある。
3 他管内との交流も順調に進められて
きたが、今後ますます地教委相互の理
解を深めて県教育の進展という大きな
目標のもとに刷新人事を進めるべきで
ある。
4 へき地教育振興の立場からみて中堅
教員のへき地希望者が少いのは淋しい
ことである。
なお三十二年度人事交流件数について
は別表を参照していただきたい。
昭和三十二年度末教職員人事異動件数調
別職\種別\小中別 校長 教諭 養護教諭 助教諭 講師 養護助教諭 教員の計 (校長
教員)の計事務職員 総計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 退職 新任 転補 計 福大 その他大 一般 小学校 12 28 110 150 65 162 38 36 1,669 1,970 3 1 41 45 45 19 100 164 22 20 6 48 3 ― 4 7 138 276 1,820 2,234 150 304 1,930 2,384 3 ― 27 30 153 304 1,957 2,414 中学校 14 8 64 86 35 56 20 52 748 911 1 0 7 8 13 1 29 43 17 13 2 32 ― ― ― ― 66 142 786 994 80 150 850 1,080 10 ― 51 61 90 150 901 1,141 昭和三十二年度末教職員人事
異動件数調
二 県立学校
(1) 年度末人事の三大方針
1)教育の重要性にかんがみ、教職員組
織の刷新充実をはかる。
2)教育の機会均等の理念に立脚して、
各学校教職員組織の均等化をはかる。
3)教育能率の向上を期し、適材適所の
配置につとめる。
沈滞した空気を払拭して清新の気を吹
き込み、生成躍動してやまない生徒に対
して明るい教育環境を与えることの必要
なことはいうまでもない。
また、教職員組織の充実が都市に集中
する傾向にある自然の流れを人為的に調
節してこれが均等化をはかり、地域によ
る学校差の除去につとめ、生徒および父
兄の期待に添うためのたえざる配慮が必.
要である。
さらに人材を抜擢して適材を適所に配
置し、個人の能力をじゅうぶん発揮せし
め、教職員に希望を与えることも重要な
ことである。この方針は理論的には誰も
納得できることであるが、さて実際にこ
れを実現させようとすると、幾多の問題
に逢著し理想とおりの実施は容易でな
く、毎年これが解決の方法に苦心を払っ
ている情況である。
(2)交 流
以上のような事情で問題解決のため、
三ヶ年計画をもって同一校永年勤続者の
交流をはかることになったが、三十二年
度末はその三年目にあたり、当初の目標
を一応完結する年であったため困難性が
一層加わり、これに払われた努力はきわ
めて大きかった。その実施のあとをかえ
りみることとする。
1)各学校とも空気が一変し、新しい組
織のもとに協力態勢がととのえられつ
つある。終戦後出身地の学校に永く勤
務し、地元臭が強くなりつつあった点
をある程度まで除去することができ
た。
2)都市と周辺校との教員組織が均等化
され、特にへき地校の教員組織が充実
された。
3) 適材を抜擢して配置し、重要な職責
を与え、人材を生かし、活躍の場を与
えることができた。
4) やや機械的交流も若干生じた、特に
女子教員の場合は身体的、家庭的事情
等に相当無理な面をともなった。
5)遠距離通勤者が多くなり時間的、身
体的負担が加重された。
というような反省がもたれたが、しかし
社会通念から考えて見ても、例えば福島
に本店があり、安達、保原、本宮等に支
店をもつといった会社の場合、本店の人
的構成がきわめてよく非常に実績をあげ