教育年報1957年(S32)-012/71page

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ているが、支店はふるわないとすると、

本店から優秀なものを支店に回して会社

全体としての発展の措置をとることにな

るであろう。この場合個人的な事情で支

店の方に行きたくないということはゆる

されないと考えられる。

 教育は日々成長してやまない生徒を対

象とし教師の人格にまつことが大である

から、会社や官公庁とは同段には諭ぜら

れないだろうけれども、市内の学校が充

実した教員組織で教育の実績もあがり、

一方周辺校の学校にこれかともなわない

という状態にあれば教育行政上これを放

置することができないのは当然である。

従って個人の事情もある程度しのんで貰

い、交流をはからなければならない場合

のあるのはまたやむを得ないことであ

る。

 学校の事情を考え、個人的な事情も汲

み、しかも全県的な教育の立場から一つ

の理想を実現しなければならないのであ

るから容易なことではない。

 学校長としてはよりよい教員組織を望

み、かつ教員の個人的事情を考慮し、ま

た永年勤続の労にも報いたいと、学校を

思い、個人を思い、その労苦は筆舌には

尽しがたいものがある。県教委において

も学校長の意志をじゅうぶん尊重して実

施したいし、さればといって全面的に意

に添うことは到底不可能なことであり、

合議の話し合いは難行し、回数も重な

り、いつの会議もほとんど徹宵におよぶ

有様であった。三か年間に全員交流を目

標としてすすめてはきたが、

 これ以上の無理を重ねることは却って

教育上プラスにならない点も認められた

ので若干残すこととなった。

 残すことになった理由

1 工業課程等で他校に交流の対象がな

 いこと。

2 身体的事情(療休復職者、身体的欠

 陥のあるもの)により交流が困難であ

 ること。

3 教科上、学校運営上、その学校とし

 て欠くことができない事情のあるこ

 と。

以上によって十年以上同一校永年勤続者

の交流状況は次のとおりとなった。

昭和三十年度末十年以上同一校

勤続者の三か年異動件数調
方南 三十年度末
十年以上の数
三か年
間異動者数
同上率% 未異動者数
県北 八六 七二 八三・七 一四
県南 八十三 六七 八〇・七 一六
会津 八十三 六五 七九・二 一七
石城 六十二 五五 八八・七
相双 五十三 四四 八一・五 一〇
三六七 三〇三 八二・六 六四

(3)退職について

 年令的にも能力的にもまだまだ勤務い

ただきたい有能な方々にも数多く退職願

わなければならなかったのは実に残念な

ことであるが、県財政上やむを得ないこ

とであり涙をのんで後進に道を譲ってい

ただいた。退職条件等については永年の

功労にむくいるため最大な考慮をはらっ

た次第である。

(4) 新採用について

 次の表にみられるように多数の志願者

の中から実に優秀な新人を比較的多く採

用することができたことは本県教育上誠

に喜ばしいことであり、この点今年度末

の明るい特色である。

県立学校教員新採用者調
  保体
志願者 一〇八 二七 一五 三八 七八 二六
新採用者 一〇 一〇 一二 一三
  図工
志願者 六七 五五 一七 四四五
新採用者 十五 九一

最後に総異動件数を昨年度末と比較し

てかかげることとする。

昭和32年度 県立学校教職員年度末人事異動件数

1)高等学校  ( )内は31年度末異動件数
  教員  事務職員 合計 備考
教諭 講師 実習助手 小計 備   考 事務職員 助手 傭人 小計
退職 42(43) 58(61) 3(1) 103(105)   4(2) 1(5) (4) 21(12) 26(23) 129(128)  
転補 251(249) 2(2) 10 254(251)     4(1)   1(1) 2(1) 4(1)  
新採用 81(68) 10(10) 2(4) 93(82) 教諭のうち他県現職から2
中学校から19
6(1) 1 (2) 16 23(13) 116(16)  
任用替 12(22) (0)  1(0) 13(22)     14   3  2  41   
合計 386(382) 70(73) 7(5) 463(460)     (4)   (8) (5) (26)  



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