レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -064/451page
絶滅危惧T類 スミレ科
ナガバノスミレサイシン Viora bissetii Maxim. 【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】無毛、または葉の裏面の基部付近に毛がある。地下茎はやや太くて横たわり、節は密接する。葉は少数、花に遅れて開き、深緑色で、やや厚く、3角状長卵形ないし3角状披針形で長くとがり、長さ5〜10p、低い鋸歯があり、基部は深く湾入する。托葉は離生し、長さ8〜12o、帯褐色。花柄は長さ5〜12p。花は大型、淡紫色、4〜5月に咲く。花弁は長さ15〜18o、側弁は無毛、唇弁には紫条が入り、距は短く太く、長さ4〜5o。
【分布】本州(福島県以西の太平洋側)〜九州に産する。
【県内の分布、生育状況】浜通りにごくまれに産し、本県が北限となっている。
【生育に影響を与えている要因】森林伐採、土地造成
【特記事項】生育地の保護が望ましい。
絶滅危惧T類 スミレ科
オオバタチツボスミレ Viora Langsdorfii Fisch. subsp sachalinensis W. Becker 全国カテゴリー;絶滅危惧U類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】地下茎は太く、密に結節し、伸長する。根出葉は少数で、長い柄があり、早く枯れて花期にはない。茎は丈が高く、長さ20〜40pになるが、倒れやすく、3〜4個の葉をつけ、下部は無葉で節上に鱗片化した托葉がある。葉は縁が深く、円心形で長さ3〜7p、波状の鋸歯があり、先は鈍頭または短く鋭くとがり、基部は心形、上方の2個の葉は互いに接近し、柄も短くなる。托葉は離生し、大型で、葉に付属するものは緑色、卵形で、長さ1〜2p。花柄は茎上の葉に腋生し、花は大きく、花弁は長さ15〜20o、淡い紫色。花期は6〜7月。
【分布】北海道・本州中北部に産し、樺太・千島・カムチャッカに分布する。
【県内の分布、生育状況】尾瀬、雄国沼などに産する。
【生育に影響を与えている要因】遷移進行、園芸採取
【特記事項】生育地の森林を含む環境を保全するとともに、鑑賞のための採取・販売をしないことが望ましい。