教師のための統計入門-020/233page

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T  なるほど,良いところに気がついたね。分散に √ をかぶせたものが標準偏差だね。ところで, √ の入った式というのは,絶対値の入った式と同じように,式変形がとてもきゅうくつだね。だから, √ をかぶった式は,それ以後の理論の展開にうまく乗っからなくて,そのままでストップしてしまう。分散の場合は, √ がない式だから,理論の展開にうまく乗っかる。そういうわけで,統計学の理論を構築していく上では,この分散が用いられているわけです。統計学は,少し大げさにいうならば,平均値と分散に関する学問である,といってもよいくらいなのです。もっとも,分散も,"ずれを一辺とする正方形の面積の総和の平均値"ですから,この意味で,統計学とは,平均値に関する学問である,といっている人もおりますが。

さて,それでは,次に(1)の式を用いて,実際に標準偏差を求めることにしますが,この式をよく見て下さい。先ず平均値 -X を求めて,それから (X1-X)2, (X2-X)2, (X3-X)2 を計算しなくてはなりません。これでは面どうですので,ふつうは,この式を変形した次の式を用いて計算します。

標準偏差

さあ,(1)の式を変形して,(2)の式を導いてみて下さい。

P  ……

P4 先生,できました。

T  えらいなあ,黒板にやってみて下さい。

P4

(1)の式を変形して,(2)の式を導く


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