教師のための統計入門-091/233page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

では,これらの不偏分散も大体等しいと考えられますから,Fの値は1に近くなります。(p171 問23参照)

しかし,もしも,この仮説仮説が真でなければ,標準偏差との差が大きくなり,結局Fの値は,

(分子)>(分母)のときは1より大きくなる,

(分子)<(分母)のときは1より小になる。

Fのこの性質を利用して,仮説仮説が真であるかどうかを検定します。つまり,いま,手もとにある二組の任意標本から

Fの値または,Fの値

を計算し,このFの値が,1からのへだたりの大きい

○ 危険率αの棄却域に入れば,有意差ありといい,仮説 H0 を棄却し対立仮説 H1 をとる。すなわち,危険率αで,二つの母分散には差がある,(二つの母分散は異なる)といいます。

○ 危険率αの棄却域に入らなければ,有意差なしといい,仮説 H0 は棄却しない。すなわち,危険率αで,二つの母分散には差があるとはいえないといいます。

上側境界値

(注) 記号F' (n1-1, n2-1, α)は,自由度が (n1-1, n2-1) のF分布の危険率両側合わせてαの棄却域の下側境界値,同様にしてF (n1-1, n2-1, α) は,自由度が (n1-1, n2-1) のF分布の,危険率両側合わせてαの棄却域の上側境界値を表します。

ところで,F分布表は,分子,分母の自由度と,上側確率の値α/2とそのときの上側境界値(1より大)とを表にしたものですから,次左図の場合は,危険


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。