教師のための統計入門-144/233page
問9 得点が正規分布をするとき,その規準値の分布と,偏差値の分布はどうなるのですか。
(答え) 平均値が -x, 標準偏差がσの正規分布の確率密度関数は,
で表されます。そして,この関数のグラフが,正規分布曲線でした。
○ 得点をx,その規準値をtとし,tの確率密度関数をg(t)としますと,
x−-x/σ=t……2)
1),2)から, t に関する式を求めればよいのですが,この場合1)は確率密度関数,すなわち,縦軸に密度を目盛った場合の式ですから,2)による x から t への交換は,割合(確率,面積)が等しい,という条件のもとに行わなければなりません。
(面積)=(たて)×(よこ)
∴f(x)dx=g(t)dt…3)
2)より dx=σdt…………4)
1),2),3),4)より
よって,規準値 t の分布は,標準正規分布をすることがわかりました。同様にして,任意の正規分布は,すべて標準正規分布に変換されます。
○ 得点を x,その偏差値を y とし, y の確率密度関数をh(y)としますと,
x−-x/σ=y-50/10 これより dx=σ/10dy
あとは,上と同様にして,結局,が導かれます。これはyが,平均値50,標準偏差10の正規分布をすることを示しています。