学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-061/222page
3.繰り返しと明確化
生徒1 すみません。勉強しなくてはいけないとわかっているんですが,時々,もう,完全に参っちゃって,もう,このままじゃ気が狂っちゃうんじゃないかって思って,勉強もなにも手がつかなくなってどうしていいか,自分でもわからないんです。
先生1 そう,こんな状態のまんまでいったら,この先どうなるかって,心配なんだね。
生徒2 ええ,成績も落ちこんでいくでしょ。ひとり,取り残されるみたいで家の人も,勉強しろとか,勉強しているかとか,口を開けば,勉強のことばっかりでその勉強が手につかなくって,こっちはあせってるっていうのに本当に参っちゃうんです。
先生2 ひとり取り残されるみたいで,あせっちゃうんだね。
生徒3 ええ,学校へくれば,みんな,勉強何時間やったとか言ってるし,もう,どこかへ逃げだしたいくらいなんです。もう。
先生3 そう,もう,どこかへ逃げだしたいくらいなんだね。
生徒4 ええ,まあ,現実にはそうもいかないでしょ。だから,よけいみじめになってるってわけなんです。
先生4 逃げだすわけにもいかないし。
生徒5 1学期に少し下がったから,今度はがんばらなくちゃって思ったんだけどこの間の中間試験の前に,かぜをひいちゃって。
先生5 今度はがんばろうって、思ったのに,実力を出しきれずにくやんでいるんだ。
生徒6 ええ。
生徒の話を繰り返したり,要約したり,確認したり,あいまいな点をもっと明確にしたりして,話を戻してやると,生徒は,「ええ」,「そう」というように反応し,自分の状況や心境をみつめながら話をするようになる。
こうして,いつも,相手の気持ちにピントを合わせ,こちらがわかったということを伝えていくようにしたい。そうすることによって,相手は,自分のこ