研究紀要第60号 「『関心・態度』の評価に関する研究」 -038/049page

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イ 学級全体の,授業に対する「関心・態度」の評価

 「検証授業2」は,以上のような考えをもとに,「鉄の生産工程の理解」をその中心的なねらいにしながら,授業そのものに対する「関心・態度」が,知識・理解にどう影響し,さらにそのことが,「社会的事象に対する関心・態度」にどうかかわるかを見ようとしたものである。

 表4(P21)に示した評価計画によって授業を実施したが,ここでは,特に,No.4の評価法とその内容について考察する。

 これは,学習のまとめの段階で,1単位時間の学習をふりかえらせ,導入,展開,終末のそれぞれの段階における子どもたちの,授業そのものに対する「関心・態度」を,質問紙による自己評価法でとらえようとしたものである。

 それを整理したのが,次の図11である。

図11 授業に対する「関心・態度」の変化(学級)
図11 授業に対する「関心・態度」の変化(学級)

 授業の導入段階で,◎が38%,○が46%学級のおよそ84%が,「すすんでできた」としているにもかかわらず,学習が進んでいくにしたがって,「すすんでできなかった」とする子どもが増えていっていることがわかる。この「検証授業2」におけるNo.4(P21)の評価結果は,授業終了後に分析したものであるが,この結果を待たず,指導者も,この授業を参観したほとんどの観察者も,子どもたちの多くが,授業の展開から終末段階にかけて,次第に,学習に対する興味,関心を後退させていったことに気づいていた。このことの要因について,次のようなことが考えられる。

 ・この授業の導入段階において,子どもたちに,十分な問題意識を持たせることができなかった。
 ・予想を持たせるにあたって,子どもたちにそれにかかわる知識がなく,追究の見通しがたてられなかった。
 ・鉄の生産工程の「教える」べきところを,子どもたちから引き出そうとした。

 これは,学習指導に関する問題であり,「関心・態度」の評価の問題に直接かかわってはいない。しかし,今,この種の「関心・態度」を問題にしているのは,このような,いわば授業そのものに対する「関心・態度」の評価が,日


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