研究紀要第108号 「一人一人のよさや違いを認め合う学級の人間関係づくりに関する研究」 -051/175page
1. アンケート調査や担任の観察から,学級の児童生徒を《順応》など3つにグルーピング
2. 他者受容や他者とのかかわりを深める構成的グループ・エンカウンターなどの実践
3. 小集団による話し合いの実践
4. 《順応》の児童生徒を中心にした変容
(5) 2年間の研究のまとめ
IV 研究内容
1 抽出児童生徒とその学級の実態
本研究では,第1年次に抽出した順応の児童生徒を2年間追跡し,その変容から研究の成果を確認することにした。小学校では,クラス替えなしに4年生になった昨年度の協力学級と同学年の1学級に,また,中学校においては,2年生になる際にクラス替えがあったが,抽出した順応の生徒が在籍することから,昨年度と同じ担任2名に協力を依頼することにした。
児童生徒の実態を把握するため,昨年度実施したものと同じ「学級生活のアンケート」(資料3)を行った。アンケートの調査項目は,以下のとおりである。
ア 適応を探る項目(1.〜5.)
イ 順応を探る項目(6.と7.)
ウ 好ましい人間関係をみる項目(8.と9.)
エ 互いのよさや違いを認め合えるかをみる項目(10.と11.)
本年度の研究で目指す,児童生徒が互いのよさや違いを認め合えるかは,10.と11.の項目で質問した。
各協力学級の不適応,順応,適応の児童生徒の人数は,次のとおり(資料4)である。
(資料4)各協力学級の不適応,順応,適応児童生徒数 学級
生徒小学校4年 中学校2年 P組 Q組 R組 S組 不適応 3 5 3 5 順応 12 11 13 11 36.4 33.3 34.2 30.6 適応 18 17 22 20 合計 33 33 38 36 (※ 順応の下段は,%を示す。)