福島県教育センター所報ふくしま No.102(H04/1992.3) -012/038page
が弱るので、観察は10分ぐらいにして、別の個体と交換して観察する。
4.顕微鏡で血流を観察する。
皮膚や筋肉が透明に近く、顕微鏡の透過光で観察できる。2心房1心室であることや血球が血管の中を流れている様子が観察される。(倍率は100倍程度)
心臓と動脈や静脈、その他の血管が同じ視野の中に観察されるので、血流が流れる方向と関連づけて、心臓の働きを推論できる。
(2)ブタの肺の観察
5. おわりに
気管支に同じ太さのガラス管などを入れ、息を吹きいれてみる。
気管支に入れるガラス管の位置により、膨らむ場所が異なるので、肺が幾つかの部分に分かれていることが観察される。
最初は茶色に近いしぼんだ状態の肺(ア)も息を吹き込むことにより、膨らみ(イ)、色も白くなる。空気が入る場所により、膨らむ部分が異なる(ウ)。
人の体に関する内容は、単にしくみや働きを教えるだけでなく、生命に対する畏敬の念や生命を尊重する態度、自然のしくみを科学的に解決しようとする態度の育成を期して行われなければならない。このことを踏まえて、今後人体に関する新しい教材を開発していきたい。